C型肝炎の治療について
C型肝炎の治療には、
1. C型肝炎ウイルスを排除する治療

1989年にC型肝炎のウイルスが発見されて以降、
C型肝炎ウイルスのインターフェロン療法の歴史
1992年に
抗ウイルス薬での治療
2014年にインターフェロンを使わずにC型肝炎ウイルスを排除できる直接作用型抗ウイルス薬(DAA)が発売されました。今ではさまざまな種類のDAAが使われています。現在主流のDAAを使うと、95%という高い確率でC型肝炎ウイルスを排除できます。
また、DAAが台頭する以前ではインターフェロン注射をした多くの人に発熱や
治療では、作用機序が異なるDAAを組み合わせて使用します。現在主に使用されている4つのDAAの組み合わせについて説明をします。
【1】グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル (マヴィレット®︎)
マヴィレット®︎はグレカプレビルとピブレンタスビルの2つの成分が含まれた配合錠です。日本では2017年に発売され、2018年度には日本で最も頻用されたC型肝炎の抗ウイルス薬となりました。C型肝炎ウイルスは遺伝子の構造によって大きく6つに分けられますが、マヴィレット®︎は全ての遺伝子の型のウイルスに効果があるいわれています。日本で多く見られる遺伝子型である1型および2型では、原則1日1回1錠の内服を8週間続けることで治療ができます(3-6型のウイルスに感染している人、以前にDAAによる治療が不成功であった人、代償期肝硬変の人は12週間内服する必要があります)。
【2】レジパスビル・ソホスブビル(ハーボニー®︎)
レジパスビルとソホスブビルの配合錠ハーボニー®︎は、日本では2015年に発売され、2016、2017年度では日本で最も使用されたC型肝炎ウイルス治療薬です。日本人に多いウイルス型である1型2型の人で重症の
【3】エルバスビル(エレルサ®︎)、グラゾプレビル(グラジナ®︎)
日本では2016年に発売されました。主に遺伝子型が1型の人に使われます。心疾患や
【4】ソホスブビル・ベルパタスビル(エプクルーサ®︎)
ソホスブビルとベルパタスビルの配合錠エプクルーサ®︎は、日本では2019年に発売となりました。以前のDAAでは使用できなかった進行した肝硬変の人も使える薬です。
2. 肝炎・肝硬変の進行を予防するための「肝庇護療法」とは
C型肝炎ウイルスに感染している人のほとんどが、ウイルスを排除できるようになりました。しかし、抗ウイルス薬による治療希望がない人や治療してもウイルスが残ってしまった人には、肝炎や肝硬変への進行を遅らせる肝庇護療法という方法があります。
1日3回内服することで肝臓を保護します。胃部不快感や便秘、下痢などの合併症が起こることもありますが、症状は軽いことが多く、ウイルスが肝臓に与えるダメージを軽減します。
◎強力ネオミノファーゲンシー
定期的に通院して注射をします。上述のウルソデオキシコール酸の内服と合わせて行われることが多いです。
3. C型肝炎の人に必要な予防接種について
C型肝炎を予防するワクチンはありませんが、A型肝炎とB型肝炎のワクチンはあります。C型肝炎ウイルスに加えて他の肝炎ウイルスに感染すると肝炎が進行してしまいますので、A型およびB型肝炎のウイルスワクチンの接種をお勧めします。
4. 治療ガイドラインはあるのか
日本肝臓学会が作成したの「C型肝炎治療