A型肝炎の基礎知識
POINT A型肝炎とは
A型肝炎ウイルスが肝臓内で感染を起こした状態です。A型肝炎ウイルスに汚染された水や食物(カキなど)を飲食することや感染している人の唾液から感染することが多いです。また、東南アジアなどの流行域への旅行の際にうつることがあるので注意が必要です。そのため流行地域へ旅行する場合はあらかじめワクチンを打っておくと良いでしょう。A型肝炎の主な症状は、吐き気・発熱・黄疸(目や皮膚が黄染する)・倦怠感(だるさ)などになります。 検査は血液を用いて抗体検査やウイルスの遺伝子検査を行います。治療を行わなくても自然と治ることが多いですが、症状が強い場合は入院して治療します。A型肝炎が心配な人や治療したい人は消化器内科あるいは感染症内科にかかって下さい。
A型肝炎について
A型肝炎ウイルス (HAV )が肝臓内で増殖することによって引き起こされる病気- 原因は便の中にあるA型肝炎ウイルス(HAV)が飲食物などを介して感染することが多い
- 東南アジアなどへの旅行で感染するケースが多い
- 下水や川、海などを経て、飲料水、生ガキなどから経口感染する
- 感染者の唾液や便によってうつるため、性行為によって感染するパターンもある
- 特に男性同性愛者の間で多い
- A型肝炎に対する
抗体 をもっていない若い人が感染することが多い - 日本では冬から初夏にかけての
発症 が多い
A型肝炎の症状
潜伏期間 は3-6週間- ウイルス性肝炎の中で最も
症状 が強い - 主な症状
黄疸 (白目の部分や全身の皮膚が黄色くなる)- 吐き気や嘔吐
- 発熱 など
A型肝炎の検査・診断
- 血液検査
抗体 検査:A型肝炎ウイルス に対する抗体が上昇しているかを調べる。- 遺伝性検査:A型肝炎ウイルスの遺伝子が血液中に存在するかを調べる
A型肝炎の治療法
症状 が強いことが多いが、基本的には自然の経過で治癒 する疾患である- 治癒までは2-3か月を要する
黄疸 などの症状が強く入院が必要となることが多い
- 予防が大切
- 東南アジアへ行くときはワクチンを接種する
- 生水や生の食べ物に気をつける など
A型肝炎の経過と病院探しのポイント
A型肝炎が心配な方
A型肝炎は、主に飲食物、特に衛生状態があまり良くない国で水道水や生ものを摂取することで感染、発症します。また性行為によって感染が広がることもあります。だるさや熱、黄疸といった症状が出現し、1-2週間持続します。特別な治療が行われなくとも自然の経過で治りますが、基本的には入院の上で経過を見ることが必要となります。
海外旅行後に数週間から2か月程度でこのような症状が出たら、A型肝炎の可能性があります。もし心当たりがあれば、近くの内科、もしくは消化器内科のクリニックを受診することをお勧めします。
A型肝炎でお困りの方
A型肝炎では、B型肝炎、C型肝炎のように慢性肝炎(治療をしても肝炎ウイルスが体内に残り続けること)に移行することはありません。症状が治まってしまえばその後は治療不要となりますが、治まるまでの間に劇症肝炎といって急激に症状が悪化する病態が生じないかを見守ることが必要です。特にA型肝炎の特効薬や治療法があるわけではないのですが、安静にすることと、万が一、劇症肝炎に進行したときの早期対応のために入院の上で対症療法を行います。
A型肝炎については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どのような治療をどこで受けるかと迷う余地は少ない病気かもしれません。
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A型肝炎のタグ
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