ばせどうびょう(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
若い女性に多く、甲状腺から過剰に甲状腺ホルモンが分泌される病気。症状は汗、動悸、手の震え、体重減少、下痢が多く、眼球突出は3割ほどの人に起こる
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最終更新: 2025.01.18
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の基礎知識
POINT バセドウ病(甲状腺機能亢進症)とは
甲状腺は喉仏の下にあり、脳からの指令を受けて新陳代謝を活発にする役割をもつ甲状腺ホルモンを分泌しています。バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる状態である甲状腺機能亢進症を起こす最も代表的な病気です。20-50歳代の方に発症することが多く、男性よりも女性の方が5倍ほど患者数が多いです。症状としては、甲状腺が腫れる、動悸がする、食欲が増す、体重が減る、下痢しやすい、手が震える、眼球が突出する、疲れやすい、などがあります。診断は採血で甲状腺ホルモンの値を測定したり、甲状腺への超音波(エコー)検査を施行して行います。治療は内服治療、放射線治療、手術などがあります。バセドウ病を専門とする診療科は内分泌内科ですが、甲状腺の超音波検査を施行していなかったり、内分泌内科でも主に糖尿病の診療しかしていないことなどもあるため、各医療機関に問い合わせてから受診するのが望ましいです。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)について
甲状腺ホルモン が過剰に分泌されている状態甲状腺 は喉仏の下にあり、脳からの指令を受けて新陳代謝 を活発にするホルモン を分泌している
- バセドウ病の原因として
免疫 が関係している- 免疫が自分自身の体を攻撃してしまう病気のひとつ(
自己免疫 性疾患) - 何らかの原因で甲状腺を異常に刺激する物質が作られ、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう
- 遺伝的な影響があると言われているが、その程度ははっきり分かっていない
- 免疫が自分自身の体を攻撃してしまう病気のひとつ(
- 人口1,000人あたり5人程度と、比較的多い病気
- 20-40歳代の女性に多い
- 女性の方が多く、男性の5倍程度の患者数である
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の症状
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の検査・診断
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の治療法
- 抗
甲状腺 薬の内服- 治療を開始時に選ばれることが多い治療法
- 治療には年単位を要することが多い
甲状腺ホルモン を抑えるために使われる薬剤- プロピルチオウラシル(商品名チウラジール、プロパジール)
- チアマゾール(商品名メルカゾール)
アイソトープ (放射性ヨウ素)治療- 放射性ヨウ素は甲状腺に集まり、甲状腺の細胞を少なくすることで
ホルモン の産生量を抑える - 放射線を有効に活用して甲状腺の細胞を少なくすることで、ホルモンの産生量を抑えるための治療である
- ヨウ素にはもともと甲状腺に集まる性質があるため、放射線を発する特別な種類のヨウ素だけを体内に取り込ませると、そのヨウ素の大半は甲状腺に集まり甲状腺の不要な細胞に集中して作用を及ぼさせることが可能となる
- 一回の治療で甲状腺の機能をかなり抑えることができるが、逆に機能が低下しすぎてしまうこともあり、その場合には甲状腺ホルモンを補う治療が必要となる
- アイソトープ治療は抗甲状腺薬で改善しない場合や確実に治療した場合に選択されるが、重い眼
症状 がある場合には適していない
- 放射性ヨウ素は甲状腺に集まり、甲状腺の細胞を少なくすることで
- 手術
- 過剰にホルモンを分泌している甲状腺の一部または全てを切除する
- 薬による治療で効果が不十分であったり、甲状腺の腫れが大きいなどの場合に行うことがある
- 甲状腺を取ったのちに甲状腺ホルモンが不足することがあり、その場合は甲状腺ホルモンを補充する
- その他
- 甲状腺眼症(眼球突出などの症状)の治療
ステロイド や放射線治療 を行うことがある- 中等症〜重症にはテプロツムマブ(
抗体 製剤のひとつ)という薬もある- 起こりうる有害事象として聴覚障害と
高血糖 が知られている
- 起こりうる有害事象として聴覚障害と
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)のタグ
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)に関わるからだの部位
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