マイコプラズマの耐性対策ほか、効能など追加の4剤はどんな薬?

2017年3月2日に、すでに発売されている医療用医薬品4製品が新しい効能などの承認を取得しました。オゼックス、レブラミド、マキュエイド、エポプロステノールの新しい効能などを紹介します。
オゼックスとは?
トスフロキサシン(商品名オゼックス®)は小児用のニューキノロン系
従来は
富山化学工業株式会社の社内資料に記録された試験では、マイコプラズマ肺炎の小児患者を対象として使用したとき、33人中32人(97%)で有効と見られました。菌が消失するかどうかを調べた4人では4人とも菌が消失しました。うち2人はマクロライド
マイコプラズマに対しては通常マクロライド系抗菌薬が優先的に使われます。しかし、近年はマイコプラズマの中にマクロライド系抗菌薬が効きにくい耐性株の割合が増加していることが問題になっています。マクロライド耐性株も消失したということは、トスフロキサシンがマクロライド耐性マイコプラズマに対しても有効である可能性を示唆します。
33人中5人に便秘などの副作用が現れました。
レブラミドとは?
レナリドミド(商品名レブラミド®)はサリドマイド関連薬に分類される
従来「多発性骨髄腫」と「5 番
2016年に論文として報告された臨床試験では、急性型・リンパ腫型・
26人中11人(42%)に奏功(
深刻な副作用の可能性があることとして、
マキュエイドとは?
マキュエイド®硝子体内注用40mgは、
従来の投与経路と効能・効果に加えて、新たにテノン嚢下投与による「糖尿病
テノン嚢(テノンのう)とは、目の
わかもと製薬株式会社の社内資料に記録された試験では、糖尿病黄斑浮腫の患者に対してマキュエイドのテノン嚢下注射を行いました。中心窩平均網膜厚という検査値を効果の指標としました。40mgの注射(30人)では注射しなかった場合(32人)と差が見られませんでしたが、20mgの注射をした場合(32人)に改善が見られました。
副作用の可能性があることとして、特に多かったものが結膜出血、結膜充血、鼻咽頭炎、結膜浮腫、眼圧上昇、
エポプロステノールとは?
エポプロステノールナトリウムを主成分とするエポプロステノール
新たに小児の用法・用量が追加されました。
アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社の社内資料に記録された試験では、小児の肺動脈性肺高血圧症患者3人に対して使用されました。肺血管抵抗係数(PVRI)の検査値が指標とされました。治療開始時と比べて、3人全員でPVRIの低下が見られました。
3人全員に何らかの副作用が現れました。主な副作用は血小板減少(2人)、下痢(2人)、頭痛(2人)でした。
まとめ
薬の用途が広がることにより、保険診療として新しい治療法が使えるようになります。効能・効果や副作用に対応して報告されているデータを参考に、従来の治療法と比較することで、ひとりひとりに合わせた治療選択の幅を広げることができます。
執筆者
オゼックス錠75・オゼックス錠150・オゼックス細粒小児用15% インタビューフォーム
マキュエイド硝子体内注用40mg インタビューフォーム
エポプロステノール静注用0.5mg「ACT」・エポプロステノール静注用1.5mg「ACT」 インタビューフォーム
Multicenter Phase II Study of Lenalidomide in Relapsed or Recurrent Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma: ATLL-002.
[PMID: 27621400 ]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。