やくぶつせいかんしょうがい
薬物性肝障害
服用した薬の副作用で肝臓が障害を受ける。軽いものであれば、薬の服用を中止することで自然に快復する
6人の医師がチェック 104回の改訂 最終更新: 2025.12.02

薬物性肝障害の症状について

薬物性肝障害とは、薬・健康食品・サプリメントなどによって、肝臓がダメージを受けた状態です。症状が現れにくいため健康診断などの検査で偶然見つかることが多いのですが、なかには症状が出たことがきっかけで受診し診断につながったという人もいます。このページでは、薬物性肝障害の症状について詳しく説明していきます。

1. 発症しても軽症のうちは自覚症状がない人が多い

肝臓は「沈黙の臓器」といわれていて、肝障害が軽症のうちは自覚症状がありません。このため、肝障害を起こしうる処方薬を長期にわたって常用している人は、症状がなくてもお医者さんから血液検査を提案されます。

また、市販薬を使う場合には用法・用量を守り、症状が良くならなければ長期使用せずに受診するようにしてください。

加えて、いわゆる健康食品やサプリメントも肝障害を引き起こすことがあります。漫然と使用せず、効果が実感できなければ中止を検討することも大切です。長期使用する際には、症状がなくても医療機関に相談することをお勧めします。

2. 重症になると生じる症状について

薬物性肝障害により肝臓の機能が進行すると、下記のような症状が現れます。これらは一度にすべて出るわけではなく、どの症状がでるのかは個人差があります。

【薬物性肝障害の症状】

  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 黄疸
  • 腹痛
  • 発疹
  • かゆみ
  • 意識障害

倦怠感・食欲不振

倦怠感や食欲不振は薬物性肝障害の人に比較的よくある症状であり、薬物性肝障害をみつけるきっかけとして重要です。

黄疸(おうだん)

「黄疸(おうだん)」とは、血中のビリルビンの量が増えて身体が黄色くなった状態です。肝臓で作られた胆汁は、本来胆管と腸を経由して体外に排泄されます。しかし、肝障害が起きて胆汁の流れが悪くなってしまうと、胆汁の成分であるビリルビンが蓄積して、身体が黄色く見えます。黄疸の有無は白目(眼球結膜)で確認しやすいです。

腹痛

薬物性肝障害ではお腹の右上やみぞおちが痛むことがあります。腹痛と肝障害がともに起きる病気には他に、胆石症ウイルス性肝炎などがあります。

発疹

肝障害の人に発疹が見られることがあり、この場合には薬剤へのアレルギーが関わっている可能性が高まります。ただし、発疹はありふれた症状なので、これだけで原因を判断することはできません。

かゆみ

薬剤のアレルギーによって肝障害が生じた人には、発疹とともに皮膚にかゆみが生じることがあります。また、黄疸が起きている人にも「かゆみ」が生じます。黄疸の原因となるビリルビンという物質が「かゆみ」を引き起こすと考えられています。

意識障害

肝障害の中でも、急激に肝臓の機能が低下する「劇症肝炎」という状態になると、意識障害を起こすことがあります。意識障害の現れ方には幅があり、普段より会話がちぐはぐであるといった軽い人から、話しかけても全く応じず注射の痛みにも反応しないといった重い人までさまざまです。劇症肝炎は命に関わる重篤な状態なので、速やかな治療が必要です。意識障害は他の病気でも見られる症状ですが、いずれにせよ早急な対応が必要な状態ですので、急いで医療機関を受診してください。

【参考文献】