急に胸の前側が痛い(数日以内)の基礎知識
概要
胸の痛みで多いのは、帯状疱疹や肋間神経痛といった神経の痛み、そして、胃炎や食道炎、胸膜炎といった心臓以外の痛みです。心臓の痛みが出る病気は重症のものが多く、40代未満の方ではかなりまれです。10-30代では気胸やプレコーディアル・キャッチ症候群といった病気が多いです。
原因とメカニズム
胸の痛みは、様々な臓器から発生します。
・心臓
・
・肺、
・食道、胃、十二指腸、膵臓、胆嚢
・皮膚、筋肉、肋骨、神経
・乳房
心臓や大動脈、肺の病気など、胸の痛みには怖い病気が隠れていることがあります。
一方で特に臓器の異常がない、胸の痛み、
考えられる病気
ピリピリと痛む
ピリピリした痛みで、プツプツと水泡ができてくる
帯状疱疹の可能性があります。先に痛みが出てきて、その数日後に水泡ができてくるため、最初は帯状疱疹だと気づかないことが多いです。
胸焼けがある
胸骨の裏側の痛みが数十分続く
狭心症、心筋梗塞、食道けいれん、逆流性食道炎などが考えられます。
ある時突然、激しい胸の痛みが起きた
大動脈解離、狭心症、心筋梗塞、気胸、肺塞栓症などが考えられます。
深呼吸や咳をすると痛い
肺炎、胸膜炎、気胸、心膜炎、肋骨骨折などが考えられます。また咳が続いていて、咳をする度に肋骨の辺りが痛くなるようになった場合は、咳によって肋間筋が傷んでいる可能性があります。咳さえ治れば、自然に治るので心配はいりません。
片側の乳房が張って痛い
乳腺症の可能性があります。
肋骨と胸骨の間を押すと痛い
肋
肋骨を押すと痛い
肋骨骨折の可能性があります。
片手を挙げると皮膚が突っ張って痛い
モンドール病の可能性があります。前胸部や側胸部の皮下静脈の血栓性静脈炎です。特に怖い病気ではなく、自然に治ります。
受診の目安
・高齢者である
・息苦しさや息切れもある
・冷や汗をかいている
・ピリピリした痛みで、水泡ができている
怖い病気
狭心症・心筋梗塞
一般内科や救急科を受診すると、必要に応じて
診療科
一般内科・総合診療科
色んな臓器が原因で胸の痛みが起こるので、一般内科は適しています。狭心症や心筋梗塞、大動脈解離など怖い病気が隠れていることもあれば、肺や皮膚の病気が原因のこともあります。必要があれば専門家に紹介してもらえます。
循環器内科
狭心症、心筋梗塞、大動脈解離など、心臓や血管の病気を診断・治療できます。突然の胸の痛みに、冷や汗や息苦しさがある場合は、まずは救急科に行ってみてください。救急科の医師の判断で、必要があれば循環器内科の医師に紹介されます。
消化器内科
呼吸器内科
検査
血液検査
感染における全身の
心電図
心臓超音波検査(心臓エコー検査)
心臓の動きを調べることで、狭心症や心筋梗塞の診断の役に立ちます。
胸部レントゲン・CT検査
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
治療
原因の病気に応じた治療がされます。