難病の血管炎の治療薬ほか、効能など追加の3製品はどんな薬?
8月25日に、医療用医薬品8製品について、新効能などの追加が承認されました。そのうちアクテムラ、ネオーラル、レボレードの新効能などを紹介します。
アクテムラとは?
アクテムラ®(一般名トシリズマブ)は、
高安動脈炎、巨細胞性動脈炎はどちらも指定難病で、広い意味での血管炎に分類されます。心臓や脳の血管を冒す場合などもあり、経過は人によってさまざまです。
添付文書には臨床試験の結果が記載されています。高安動脈炎に対して、
巨細胞性動脈炎に対する臨床試験では、50歳以上の患者が対象とされました。試験開始時に使っていたステロイド薬を減らしながら、グループごとに使用する薬を変えて治療されました。
- トシリズマブ162mgを1週間ごと、ステロイド薬は26週かけて減らし終了
- トシリズマブ162mgを2週間ごと、ステロイド薬は26週かけて減らし終了
- 偽薬を1週間ごと、ステロイド薬は26週かけて減らし終了
- 偽薬を1週間ごと、ステロイド薬は52週かけて減らす
52週時点で症状がない状態(寛解)を維持できていた割合を比較すると、
なおアクテムラには点滴用の製剤もありますが、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎の効能・効果を追加されたのは皮下注射用の製剤だけです。
ネオーラルとは?
ネオーラル®(一般名シクロスポリン)は
再生不良性貧血は、
臨床試験では、ATG、シクロスポリン、エルトロンボパグの3剤を併用した10人のうち7人が、輸血をしなくても血球数が改善した状態になりました。
レボレードとは?
レボレード®(一般名エルトロンボパグ オラミン)は、血球を増やす作用のある薬です。従来慢性特発性血小板減少性紫斑病に使われていますが、再生不良性貧血が新たに効能・効果に加えられました。
ネオーラルの添付文書にも記載されている臨床試験で、ATG、シクロスポリン、エルトロンボパグの3剤を併用した10人のうち7人が、輸血をしなくても血球数が改善した状態になりました。
まとめ
2017年8月25日に新効能などを承認された8製品のうち3製品を紹介しました。ほかの5製品についても別の記事で紹介する予定です。
医薬品の効能・効果などはつねに見直されています。有効と思われた使いかたが承認され、添付文書にも記載されていくことで、保険診療としてできることの幅が広がります。
執筆者
アクテムラ皮下注162mgシリンジ/ アクテムラ皮下注162mgオートインジェクター 添付文書, NCT01791153(Clinicaltrials.gov), ネオーラル内用液10%/ ネオーラル10mgカプセル/ ネオーラル25mgカプセル/ ネオーラル50mgカプセル 添付文書, レボレード錠12.5mg/ レボレード錠25mg 添付文書
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。