喫煙で呼吸困難に、「COPD」のリハビリは家でもできる?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、喫煙などが原因で呼吸がしにくくなる病気です。治療法のひとつとして呼吸機能の向上を目的としたリハビリが行われます。リハビリは家で行なっても長期的効果はあるのでしょうか?
◆ 家庭でリハビリ
今回の研究は、211人のCOPD患者を対象にして行われました。対象者は8週間の間、1週間に1回のリハビリ指導をうけ、それ以外の日には指導なしでリハビリを続けました。そして、リハビリ指導期間の始めと終了時、リハビリ6ヶ月後と12ヶ月後に運動能力テストが行われました。
◆ 家庭でリハビリを行っても長期的効果が期待できる
次の結果が得られました。
6分ステップテストはリハビリプログラムを終えた後、6ヶ月後、12ヶ月後に
有意 に向上した[...]。
抑うつ ・不安尺度と生活の質アンケートのスコアもリハビリプログラム後に向上した、そして、この効果は6ヶ月後、12ヶ月後でも保たれた。
家庭でのCOPDリハビリは短期的において効果的で、その効果は12ヶ月後においても保たれたことが研究で見られました。
今回の研究では、家庭でCOPDのリハビリを行わなかったグループと比べられなかったので、家でのリハビリが、正確に、どの程度の長期的効果があるかは分かりませんでした。しかし、病院までの距離が遠いなどの理由で、病院に通ってリハビリを受けられない患者への選択肢のひとつになる可能性があるかもしれません。今後の研究では、家以外の場所でリハビリを行ったグループなどと比較することで、家庭リハビリの長期的効果がさらに明確になるかもしれません。
執筆者
Long-term evaluation of home-based pulmonary rehabilitation in patients with COPD.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2015 Sep.
[PMID: 26445534]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。