息切れで動けない「COPD」で生活する辛さは「心の知能指数」と関係していた

喫煙などが原因で呼吸機能が悪化する慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、息切れなどの症状があり、生活の負担になります。治療では自己管理が重要になります。感情知能が自己管理能力などに関わっていたという研究結果が報告されました。
◆感情知能はCOPDと関係するか?
「心の知能指数」(EQ)という言葉でも知られる感情知能は、自分の考えや感情をコントロールしたり、他人とのコミュニケーションにうまく反映する能力のことを指します。COPDの治療では、禁煙など生活の自己管理が重要で、感情をコントロールすることも関係していると考えられます。
この研究は、中等度から重度のCOPDがある人を対象に、感情知能と、自己管理能力、生活の質(
平均69歳の310人が対象となり、質問票に答えることで感情知能、自己管理能力、生活の質を評価されました。
◆自己管理能力、QOLともに関連あり
次の結果が得られました。
感情知能は、年齢、
気管支 閉塞の程度、呼吸困難、その他の有意 な交絡因子を調整した上で、有意にかつ独立して、自己管理能力(P<0.0001)、QOLの評価されたすべての領域(呼吸困難、疲労、感情、病気の支配感、P<0.0001)と関連した。
感情知能が高い人では、自己管理能力が高い傾向がありました。また、呼吸困難や疲労などの生活の質も良い傾向が見られました。
研究班は、感情知能は訓練できるという立場から、「感情知能に注意を払うことで、現在生活の質を悪化させ、医療利用を増加させることに寄与している、COPDの感情的要素の治療に存在するギャップに対処できるかもしれない」と結論しています。
執筆者
Emotional Intelligence: A Novel Outcome Associated with Wellbeing and Self-Management in Chronic Obstructive Pulmonary Disease.
Ann Am Thorac Soc. 2016 Jan.
[PMID: 26501370]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。