2015.07.30 | ニュース

呼吸法でCOPDを改善?気功とウォーキングの効果

中国126人のランダム化試験

from Journal of the American Geriatrics Society

呼吸法でCOPDを改善?気功とウォーキングの効果の写真

喫煙などが原因で肺の組織が破壊される慢性閉塞性肺疾患(COPD)では呼吸機能が低下し、治療のため薬剤のほかリハビリテーションも行われます。中国で呼吸を整える気功の訓練を治療として行ったところ、歩行だけの治療よりも高い効果が得られました。

◆歩行に加えて、気功ありと気功なしを比較

研究班は、COPDのある65歳から85歳の患者126人を、六字訣気功群と対照群の2グループに分けました。六字訣気功群では毎週の気功のプログラムに加えて1日30分の歩行を行い、対照群では1日30分の歩行だけを行うことで、それぞれ6か月治療しました。

 

◆気功で効果改善

治療から次の結果が得られました。

六字訣気功群で、6か月のフォローアップののち、6分歩行試験(P=0.02)、特異的気道コンダクタンス(P=0.02)、[...]SF-36の全体的健康(P<0.001)、精神的健康(P=0.03)、[...]に対照群よりも大きな改善が見られた。

六字訣気功群では、歩行だけを行った対照群よりも、歩行機能、呼吸による空気の通りやすさ、生活の質に改善が見られました

研究班はこの結果から、六字訣気功が「中高齢の成人にとってCOPDのリハビリテーションに良い代替的家庭運動プログラムである」と結論しています。

 

呼吸法の訓練によって、呼吸に関わる運動や臓器の働きに何か良い影響があったのかもしれません。伝統的な健康法にもこのように効果を確かめる研究がなされつつあります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Efficacy of Liuzijue Qigong in Individuals with Chronic Obstructive Pulmonary Disease in Remission.

J Am Geriatr Soc. 2015 Jul

 

[PMID: 26131612]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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