2015.10.26 | ニュース
漢方薬で呼吸機能を改善、COPDへの効果
ランダム化比較試験により検証
from PloS one

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、喫煙などが原因で、呼吸機能の悪化による体力や活動量の低下が現れる病気です。今回の研究では、COPDの呼吸機能を改善する方法として、漢方薬の効果を検証しました。
◆漢方薬2種類をそれぞれ処方する群とプラセボ群に振り分け
今回の研究では、中等度から重度のCOPD患者331人を、2種類の漢方薬(補腎益気の小粒、補腎防喘の錠剤)をそれぞれ用いて治療する群とプラセボ群の計3群で効果を比較しました。
用いた漢方薬は、腎臓の機能を正常化したり、喘息を軽減する役割があると言われているものです。
◆漢方で呼吸機能が改善
以下の結果が得られました。
補腎益気小粒と補腎防喘錠剤により、肺活量、1秒量、1秒率がプラセボ群と比較して増大した。
どちらの漢方薬を使った場合にも、プラセボを使った場合に比べて呼吸機能は改善しました。また、安全性については、3群のなかで差は見られませんでした。
COPDは慢性疾患の代表例であり、傷付いた肺の組織を元に戻す方法は知られていません。呼吸を助けるために禁煙に加えて薬が使われることもありますが、漢方薬も検討されてよいのかもしれません。
執筆者
参考文献
Mirror therapy in unilateral neglect after stroke (MUST trial): a randomized controlled trial.
Neurology. 2014 Sep 9
[PMID: 25118962]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。