COPDの新薬チオトロピウム+オロダテロール、併用で呼吸機能を改善
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は肺の組織が破壊される病気で、呼吸機能を改善するために治療薬が使われます。新しい2種類の薬の効果を調べた研究で、2種類を同時に使うことにより、どちらか一方だけの治療よりも高い効果が見られました。
◆中等度以上のCOPDを治療
この研究では、中等度から重度のCOPDがある患者約5千人が対象となりました。対象者はランダムにグループに分けられ、チオトロピウムとオロダテロールという2種類の薬の両方を使って治療するグループ、チオトロピウム単独のグループ、オロダテロール単独のグループとされました。
◆併用が単剤よりも有効
治療後に次の結果が得られました。
合計で5,162人の患者(研究1237.5では2,624人、研究1237.6では2,538人)が治療を受けた。どちらの研究でも、両方の固定用量併用療法について、治療後0から3時間の1秒量AUCとトラフ1秒量応答が、単剤治療よりも
有意 に改善した。有害事象の発生率は固定用量併用療法と単剤治療の間で同程度だった。
チオトロピウムとオロダテロールの両方を使うグループで、どちらか一方だけのグループよりも呼吸機能に改善が見られました。
この研究のあと、チオトロピウムとオロダテロールの配合剤が日本でも承認申請中です(2015年7月時点)。COPDは長期間の治療が必要になる場合が多く、より効果の高い治療薬が求められています。
執筆者
Tiotropium and olodaterol fixed-dose combination versus mono-components in COPD (GOLD 2-4).
Eur Respir J. 2015 Apr
[PMID: 25573406]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。