2016.03.25 | ニュース

慢性閉塞性肺疾患患者の咳は腹筋と関係する?

慢性閉塞性肺疾患患者28名を対象に検証

from International journal of chronic obstructive pulmonary disease

慢性閉塞性肺疾患患者の咳は腹筋と関係する?の写真

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙などにより肺にダメージがおよび、咳などの症状が出現し長引くのが特徴です。咳は体にどのような影響があるのかを調べた研究を紹介します。

◆慢性閉塞性肺疾患患者の咳が及ぼす影響は

呼吸リハビリテーションを受けた慢性閉塞性肺疾患患者28名が対象となりました(平均年齢60.6歳)。対象者の腹筋の持久力と咳に関連する生活の質、疲労感、うつ症状が問診票で調査されました。

 

◆咳と腹筋の回数に関連が見られた

以下の結果が得られました。

LCQの合計点数は腹筋運動の回数、 ベックうつ病特性尺度点数、Fatigue Impact Scale(FIS)合計、身体、認知、心理社会的領域の点数と有意な関連が見られた(P<0.05)。

対象者の中で、咳の問診票の点数が低いと腹筋運動の回数も低く、疲労感、うつ症状の程度が高いという関連があることが示されました。

 

咳は身体面だけでなく精神的にも関連があり、慢性閉塞性肺疾患患者にとっては重要な問題となってきそうです。咳によって生活の質が低下しないようにする治療や、咳が少なくなる治療はどのような方法や対策があるのでしょうか。さらに調査する必要がありそうです。

執筆者

PT K.S

参考文献

The relationship between cough-specific quality of life and abdominal muscle endurance, fatigue, and depression in patients with COPD.

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2015 Sep.

[PMID: 26379433]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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