アルコール性肝障害があると自己免疫疾患を発症しやすい?アジソン病、炎症性腸疾患などに関連

過度の飲酒による肝障害は、危険な肝不全につながるほか、免疫機能にも影響すると考えられています。デンマークの全国統計を解析した研究で、アルコール性肝硬変がある人では、免疫の異常が関わるアジソン病などの発症が多かったことが報告されました。
◆アルコール性肝硬変の患者を集計
研究班は、デンマークの全国統計から、アルコール性肝硬変の患者のデータを取り出し、アルコール性肝硬変がない人と比較して、
自己免疫疾患とは、
◆アジソン病、炎症性腸疾患、セリアック病、貧血、乾癬に関連
統計解析から次の結果が得られました。
アルコール性肝硬変と診断された24,679人の患者のうち、532人に自己免疫性疾患が発症し、全体で調整発症率比が1.36(95%信頼区間1.24-1.50)に増加した。最も強い関連はアジソン病(調整発症率比2.47、95%信頼区間1.04-5.85)、
炎症 性腸疾患(調整発症率比1.56、95%信頼区間1.26-1.92)、セリアック病(調整発症率比5.12、95%信頼区間2.58-10.16)、致命的貧血(調整発症率比2.35、95%信頼区間1.50-3.68)、乾癬(調整発症率比4.06、95%信頼区間3.32-4.97)との間に見られた。
アルコール性肝硬変がある人では、アジソン病、炎症性腸疾患、セリアック病、致命的な貧血、乾癬の発症率が高くなっていました。
肝硬変はそれ自体が命に関わる病気ですが、ほかにも過度の飲酒は一部の
執筆者
Alcoholic Cirrhosis Increases Risk for Autoimmune Diseases: A Nationwide Registry-Based Cohort Study.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Jun 1 [Epub ahead of print]
[PMID: 26044312]
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