アルコール性肝障害の治療に必要なケアは?
アルコール性肝障害は、アルコールの過剰摂取が原因となり引き起こされる病気です。この研究は、アルコール性肝障害で肝性脳症となった患者を対象に、心身状態の問題に対処するために重要な要因について研究しました。
◆肝性脳症とは?
肝性脳症とは、肝臓で取り除かれるはずの毒素が脳に達し、脳の機能が低下する病気です。意識が低下したり、錯乱状態になることもある、深刻な状態です。
◆肝性脳症患者11人を対象に実施
この研究は、11人のアルコール性肝障害によって肝性脳症になった患者を対象に、ストレス対処の理論に基づいたインタビューを実施しました。
◆アルコール性肝障害で肝性脳症となった患者の心身状態は?
結果は以下の通りでした。
プロフェッショナルや近親者との関わりにおいて、アルコール肝障害患者が身体的および心理社会的問題に対処する能力を支持または制限する要素は、コアカテゴリーの”尊厳ある個人としてのアイデンティティを守る努力”で説明された。[…]。
アルコール性肝障害で肝性脳症となった患者は、医療者や親族との関係の中で個人の尊厳を守る努力がなされることが、心身の問題に対処する助けになると考えていました。
アルコール性肝障害は、深刻な病気に結びつく恐れがあり、断酒をはじめとする治療が重要ですが、それには周りの人からのサポートが必要です。今回の結果を踏まえ、患者さんの心身状態の問題について、どう向き合っていくか考える必要があります。
執筆者
Coping and rehabilitation in alcoholic liver disease patients after hepatic encephalopathy - in interaction with professionals and relatives.
J Clin Nurs. 2015 Dec.
[PMID: 26507689]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。