せりあっくびょう(ぐるてんかびんしょう)
セリアック病(グルテン過敏症)
小麦などの穀物に含まれる「グルテン」を摂取すると異常な免疫反応が起き、腸の粘膜が障害される先天的な病気
3人の医師がチェック 34回の改訂 最終更新: 2022.03.10

セリアック病(グルテン過敏症)の基礎知識

POINT セリアック病(グルテン過敏症)とは

セリアック病は小麦などの穀物に含まれる「グルテン」を摂取すると異常な免疫反応が起きて、腸の粘膜に障害が起こる先天的な病気です。白人女性に多い病気で、日本人ではあまり見られません。主な症状は下痢・腹部膨満・食欲低下・疲労感などです。症状や身体診察に加えて血液検査や便検査を行って診断しますが、診断が難しい人は内視鏡で小腸の一部を採取します(生検)。治療はグルテンフリー食を摂取することが基本です。セリアック病が心配な人や治療したい人は、消化器内科・消化器外科・小児科を受診して下さい。

セリアック病(グルテン過敏症)について

  • 小麦などの穀物に含まれる「グルテン」を摂取すると異常な免疫反応が起きて、腸(特に小腸)の粘膜に障害が起こる先天的な病気
    • 遺伝子の異常と関連すると言われている
    • 白人女性に多いとされている(100-300人に1人程度)
    • 日本ではまれな病気
  • 乳幼児や子どものころから症状が出る場合が多かったが、近年では10-40歳くらいでの発症例も報告されていて、必ずしも子どもの頃に発症するわけではないと言われている
  • 吸収不良症候群の一種である

セリアック病(グルテン過敏症)の症状

  • 穀物の入った食事を食べると吸収不良の症状が出る
    • 下痢、脂肪便
    • 腹部膨満
    • 食欲不振
  • 十分な栄養が吸収できないと、鉄欠乏性貧血や低体重などを起こす
  • 症状が強い場合は、全身に皮膚炎(疱疹状皮膚炎)を起こすこともある
  • それ以外の症状

セリアック病(グルテン過敏症)の検査・診断

  • 穀物を食べた後の吸収不良の症状からセリアック病ではないかと疑う
  • 血液検査
    • 特殊な抗体検査(抗グリアジン抗体など)
  • 吸収不良についての検査
    • d-キシロース検査
    • 脂肪便の有無
  • 診断確定のために、内視鏡で小腸粘膜を生検し顕微鏡検査を行うこともある

セリアック病(グルテン過敏症)の治療法

  • グルテンを除去した食事療法(グルテンフリーダイエット)を行う
    • 小麦、ライ麦、大麦が入った食事は避ける
    • 大豆や白米やイモ類は安全
  • もし栄養失調があるようであれば経口の薬剤やサプリメントによる補助を検討する
  • グルテンフリー食は一生続けることがあるために、きちんとした病気と食事に対する理解が必要

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