2016.03.02 | ニュース

小麦に過敏反応する「セリアック病」、女性だけの先天性疾患とも関係している?

スウェーデン4万人のデータから
from Pediatrics
小麦に過敏反応する「セリアック病」、女性だけの先天性疾患とも関係している?の写真
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セリアック病は、小麦などに含まれるグルテンに対する異常な免疫反応により、下痢などの症状を起こします。原因には遺伝子の異常が関係するとも言われますが、正確には不明です。ターナー症候群という先天性疾患との関連が報告されました。

◆42,040人のデータを解析

ターナー症候群は、女性にだけ起こる先天性疾患で、細胞が持っている性染色体X染色体)が1個足りないことにより、無月経や低身長などを起こします。親から子に遺伝する病気ではありません。

この研究は、ターナー症候群セリアック病の関連を調べるため、スウェーデン全国の統計からデータを得ました。セリアック病がある人7,548人と、セリアック病がない34,492人を比較して、ターナー症候群の割合に違いがあるかが統計解析されました。

 

◆セリアック病はターナー症候群の人に多い

次の結果が得られました。

セリアック病のある女性7,548人のうち、ターナー症候群の診断は20人(0.26%)にあり、対して対照群では34,492人中21人(0.06%)であり、対応するオッズ比はターナー症候群のある人におけるセリアック病で3.29(95%信頼区間1.94-5.56)だった。

ターナー症候群の人のほうが、セリアック病の頻度が多いという結果でした。

研究班は「ターナー症候群のある女性はセリアック病の発生がより多い。この研究はターナー症候群においてセリアック病の症例を能動的に発見することを支持する」と結論しています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Turner Syndrome and Celiac Disease: A Case-Control Study.

Pediatrics. 2016 Feb.

[PMID: 26746404]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。