微小管阻害薬(タキサン系)
細胞分裂で重要な役割を果たす微小管に作用し細胞分裂を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす薬
微小管阻害薬(タキサン系)の解説
微小管阻害薬(タキサン系)の効果と作用機序
- 細胞分裂で重要な役割を果たす微小管に作用し細胞分裂を阻害することで抗
腫瘍 効果をあらわす薬がん 細胞は無秩序に増殖を繰り返したり転移 を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す- 細胞増殖は細胞が分裂することでおこるが、細胞分裂に重要な役割を果たす微小管という物質がある
- 細胞分裂の後半では、束になっている微小管がばらばらになる(脱重合する)必要がある
- 本剤は微小管の脱重合を阻害し細胞分裂を阻害する作用をあらわす
微小管阻害薬(タキサン系)の薬理作用
がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し、細胞を障害し組織を壊したり、転移を行うことで本来がんのかたまりがない組織でも増殖する。
細胞増殖は細胞の分裂によっておこるが、細胞分裂に重要な役割を果たす微小管という物質がある。細胞分裂の中期くらいまでは微小管同士が束になって(重合して)いる状態だが、分裂の後半になると微小管がばらばらに解離(脱重合)する必要がある。
本剤は細胞分裂に重要な役割を果たす微小管の重合を促進し(脱重合を阻害し)微小管の安定化・過剰形成を引き起こすことにより、細胞分裂を阻害して抗腫瘍効果をあらわす殺細胞性抗がん薬(細胞障害性抗がん剤)となる。
なお、本剤はイチイ科の植物(学名:Taxus baccata)の成分から開発された経緯により、学名からタキサン系という種類に分類される。