2017.11.10 | ニュース

前立腺がんの抗がん剤治療でカバジタキセルを減量しても効果はあるか?

20mg/m2で非劣性試験

from Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology

前立腺がんの抗がん剤治療でカバジタキセルを減量しても効果はあるか?の写真

前立腺がんの治療にカバジタキセル(商品名ジェブタナ®)を使うことがあります。標準的な用量よりも少なく使って効果が得られるかが検討されました。

去勢抵抗性前立腺がんに対するカバジタキセルを減量

多国籍の研究班が、前立腺がんに対するカバジタキセルの用量を減らす試験を行い、結果を専門誌『Journal of Clinical Oncology』に報告しました。

カバジタキセルは抗がん剤悪性腫瘍(がん)に効果を発揮する薬剤。ただし、がん以外の良性疾患に用いられることもあるです。前立腺がんの治療としては、先にホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれる療法を行ったけれどもがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるが進行または再発した場合で、そのあとにドセタキセルを使っても効果が不十分だったなどの場合にカバジタキセルを使います。カバジタキセルの用量は、日本の添付文書では「プレドニゾロンとの併用において、1日1回、カバジタキセルとして25mg/m2(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注「静脈注射」の略。薬を注射や点滴で投与することする。なお、患者の状態により適宜減量する。」とされています。

この研究は、カバジタキセルの用量を25mg/m2と20mg/m2で比較して、20mg/m2の場合の効果が劣らないと言えるかを調べています。

1,200人の患者が対象となり、ランダムに25mg/m2のグループと20mg/m2のグループに分けられました。効果は死亡率で比較することと決められました。

 

非劣性、有害事象は少ない

治療により次の結果が得られました。

全生存期間の中央値はC20群で13.4か月、C25群で14.5か月だった(ハザード比1.024)。ハザード比の信頼区間の上限は1.184だった(非劣性主に治療方法の効果が、他の治療方法に対して「劣っていない」ということ。厳密には「劣っていない」ことと「同じくらい効果がある」ことは別である境界の1.214より低かった)。

25mg/m2のグループでは、半数の人が14.5か月以上生存しました。20mg/m2のグループでは、半数の人が13.4か月以上生存しました。死亡率を計算すると、20mg/m2が劣らないと言える範囲に収まりました

副作用やその他の原因による望ましくない出来事(有害事象)について、次の結果がありました。

グレード3または4の治療由来有害事象はC20群で39.7%、C25群で54.5%だった。

有害事象のうち入院が必要な程度または命を脅かす程度のものは、25mg/m2のグループで54.5%の人に発生しましたが、20mg/m2のグループでは39.7%であり、20mg/m2のほうが少ないと見られました。

 

カバジタキセルは減らしてもいい?

カバジタキセルの減量を検討した研究を紹介しました。減量しても死亡率の比較で劣らず、有害事象は少ないという結果でした。

添付文書に「適宜」とあるとおり、カバジタキセルを減量して使うことはもともと可能です。こうした検証によって、減量によりどのような違いが予想されるかについて、証拠を持って考えることができます。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Phase III Study Comparing a Reduced Dose of Cabazitaxel (20 mg/m2) and the Currently Approved Dose (25 mg/m2) in Postdocetaxel Patients With Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer-PROSELICA.

J Clin Oncol. 2017 Oct 1.

[PMID: 28809610]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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