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悪性リンパ腫

悪性リンパ腫の基礎知識

悪性リンパ腫とは?

  • 白血球の一種であるリンパ球の「がん」の総称
     ・リンパ節やリンパ系組織にできる
  • がん細胞のタイプにより大きく2種類に分けられる(詳細はそれぞれの疾患を参照)
  • 「リンパ性白血病」という病気は、骨髄の中の将来リンパ球になるはずの幼い細胞ががん化して血液の中に出てきた病気

症状

  • 主な症状
    • リンパ節の腫れ(特に首のリンパ節の腫れが多い)
    • 発熱
    • 寝汗
    • 体重減少
       など

検査・診断

  • 血液検査:血球の数や形、腫瘍マーカーなどを調べる
  • 画像検査:どのくらい腫瘍が広がっているのか(病気の進行度)などを調べる
    • CT検査
    • MRI検査
    • PET検査
        など
  • 骨髄検査:骨髄穿刺を行い、骨髄にリンパ腫がないかなどを調べる
  • リンパ節生検
    • リンパ節を一部採取して、がんがないかなどを調べる
    • 悪性リンパ腫の診断が確定された場合には、種類を調べてその後の治療を選ぶ上で参考とする

治療

  • 治療は、悪性リンパ腫のタイプと進行度による(詳細はそれぞれの疾患情報を参照)
  • ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫では、化学療法の種類が大きく異なる
    • ホジキンリンパ腫:化学療法と放射線療法の組み合わせ
    • 非ホジキンリンパ腫:化学療法
      ・一部の進行がゆっくりの非ホジキンリンパ腫では、経過観察をすることもある
    • 手術だけで治すことはできないが、手術をすることもある(検査のためのリンパ節を採取する手術、腸のリンパ腫で化学療法がよく効いて腫瘍が小さくなると腸に穴が空くおそれのある場合など)
  • 悪性リンパ腫のタイプと病気によって治療の経過は異なるので、どのようなタイプの病気であるのかをしっかりと理解することが重要

悪性リンパ腫に関連する治療薬

抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)

  • 細胞の増殖に必要なDNAやRNAの合成を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAやRNAの合成が必要となる
    • 本剤は細胞内のDNAに結合するなどしてDNAやRNAの合成を阻害するなどして抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤は土壌などに含まれるカビなどの微生物由来の薬剤であり抗がん性抗生物質と呼ばれる
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その他の抗がん性抗生物質

  • 細胞の増殖に必要なDNAの合成を阻害するなどにより抗腫瘍作用をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAやRNAの合成が必要となる
    • 本剤はDNAに作用しDNAの複製を阻害するなどして抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤は土壌などに含まれるカビなどの微生物由来の薬剤であり抗がん性抗生物質と呼ばれる
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微小管阻害薬(ビンカアルカロイド系)

  • 細胞分裂に重要な役割を果たす微小管に作用し、分裂を途中で停止させ抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序に増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞増殖は細胞の分裂によりおこり、細胞分裂に重要な役割を果たす微小管という物質がある
    • 本剤は微小管の構成タンパクに作用し、細胞周期を分裂の途中で停止させる作用をあらわす
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トポイソメラーゼ阻害薬

  • DNA複製に必要な酵素を阻害しがん細胞の細胞死を招くことで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を傷害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要でこの複製にはトポイソメラーゼという酵素が必要となる
    • 本剤はトポイソメラーゼを阻害し細胞死を招くことで抗腫瘍効果をあらわす
  • トポイソメラーゼにはI型とII型があり、薬剤によってそれぞれ作用する型が分かれる
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白金製剤(プラチナ製剤)

  • 細胞増殖に必要なDNAに結合することでDNA複製阻害やがん細胞の自滅を誘導し抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要となる
    • 本剤はがん細胞のDNAと結合し、DNAの複製とがん細胞の自滅を誘導することで抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤は薬剤の構造中に白金(プラチナ:Pt)を含むため白金製剤と呼ばれる
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NK1受容体拮抗薬

  • がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬
    • 抗がん薬投与による悪心・嘔吐は延髄に嘔吐中枢に刺激が伝わりおこる
    • 脳のCTZや中枢神経に多く存在するNK1(ニューロキニン1)受容体が作用を受け嘔吐中枢に刺激が伝わる
    • 本剤はNK1受容体を阻害することで嘔吐中枢への刺激を抑える
  • 原則として、5-HT3受容体拮抗薬と併用して使用する
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5-HT3受容体拮抗薬

  • がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬
    • 抗がん薬投与による悪心・嘔吐は延髄にある嘔吐中枢に刺激が伝わりおこる
    • 脳のCTZや消化管には5-HT3受容体という伝達物質のセロトニンの作用により嘔吐中枢へ刺激を伝えるものがある
    • 本剤は5-HT3受容体拮抗作用により、嘔吐中枢への刺激を阻害する
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アルキル化剤

  • 細胞増殖に必要なDNAに作用しDNA複製阻害作用やDNAの破壊作用により抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し転移することで細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要となる
    • 本剤は薬剤中のアルキル基というものがDNAに結合することで抗腫瘍効果をあらわす
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代謝拮抗薬(ピリミジン拮抗薬)

  • DNAの構成成分に類似した化学構造をもち、細胞増殖に必要なDNA合成を阻害して抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序に増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞増殖に必要なDNAの成分にピリミジン塩基と呼ばれる物質がある
    • 本剤はピリミジン塩基と同じ様な構造をもち、DNA合成の過程でピリミジン塩基の代わりに取り込まれることなどにより抗腫瘍効果をあらわす
  • フルオロウラシルやシタラビンを元にして造られ体内で代謝を受けてこれらの薬剤へ変換される製剤(プロドラッグ製剤)がある
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