[医師監修・作成]低ナトリウム血症の症状:だるさ・吐き気・頭痛・意識障害など | MEDLEY(メドレー)
ていなとりうむけっしょう
低ナトリウム血症
血液中のナトリウム濃度が低下した状態。だるさや意識障害、けいれんを起こす
5人の医師がチェック 164回の改訂 最終更新: 2021.11.30

低ナトリウム血症の症状:だるさ・吐き気・頭痛・意識障害など

低ナトリウム血症は軽いものではだるさや吐き気、重いものだと頭痛、意識障害、けいれんなどがあらわれます。また、低ナトリウム血症の期間が長い場合、赤ちゃんやお年寄りの場合は症状が現れにくいので注意が必要です。

1. 低ナトリウム血症の症状

低ナトリウム血症になるとだるさ、吐き気、頭痛など様々な症状があらわれます。実際どのような症状が見られるかは低ナトリウム血症の重症度により異なります。

低ナトリウム血症は血液のナトリウム濃度が135mEq/Lより低い時を言いますが、低ナトリウム血症の重症度と症状をおおまかに分類すると以下のようになります。

ナトリウムの値

状態

135から145mEq/L

正常値

130から135mEq/L

低ナトリウム血症に該当するが、
症状はあらわれないことが多い

120から130mEq/L

軽症な低ナトリウム血症:
だるさ、吐き気があらわれる

120mEq/Lより低い時

重症な低ナトリウム血症:
頭痛、意識障害、けいれんが起こる

参考文献
・UpToDate: Manifestations of hyponatremia and hypernatremia in adults

2. 軽い低ナトリウム血症を疑う症状

低ナトリウム血症の軽い症状にはだるさや吐き気などがあります。これらの症状はナトリウムの値でいうと120から130mEq/Lくらいの時にあらわれることが多いです。

それぞれの症状について詳しく説明していきます。

だるさ

軽い低ナトリウム血症がある場合には「だるいな」と感じることがあります。だるいという症状は健康な人でも疲れている時などに感じるものであり、だるさだけで低ナトリウム血症を強く疑うわけではありません。ただし、以下の人は低ナトリウム血症を起こしやすいので、だるさを感じた時には低ナトリウム血症が原因になっていないか確認する必要があります。

  • お年寄りの人
  • 利尿剤、抗てんかん薬などを飲んでいる人
  • 甲状腺や副腎の病気と言われたことがある人
  • 心不全腎不全肝硬変と言われたことがある人

低ナトリウム血症は血液検査でナトリウムの値を計測することでわかります。心配な方は血液検査でナトリウムの値を調べてみることをおすすめします。

吐き気

吐き気も軽い低ナトリウム血症の人で見られる症状の一つです。吐き気はほかにも胃腸炎などいろいろな病気で見られる症状であり、吐き気があるだけで低ナトリウム血症の診断となるわけではありませんが、低ナトリウム血症を考える一つのきっかけになる症状です。

3. 重症な低ナトリウム血症を疑う症状

重症な低ナトリウム血症を疑う症状には頭痛、意識障害、けいれんなどがあります。頭痛、意識障害、けいれんは低ナトリウム血症の結果、脳に異常が起きているサイン(専門的には中枢神経症状と呼びます)ですので、非常に危険です。ナトリウムの値でいうと120mEq/Lを下回る時にあらわれることが多いです。

それぞれの症状について詳しく説明していきます。

頭痛

重度な低ナトリウム血症では頭痛があらわれることがあります。頭痛とともに吐き気を伴ったり、嘔吐することもあります。低ナトリウム血症で頭痛が起こるのは、血液中のナトリウム濃度が低くなると、血管の中に水分をとどめておくことができず、脳細胞に水分が移動し、むくむためであると考えられています。頭痛がある低ナトリウム血症はさらに症状が進行すると次に述べる意識障害を起こすことがあり、危険なサインです。強い頭痛がある場合は病院を受診するようにしてください。

意識障害:呼びかけに応じなくなる

重度な低ナトリウム血症では意識が朦朧としたり、周りの呼びかけに応じなくなることがあります。この状態は意識障害と呼ばれ、非常に重症な状態です。すぐに治療しないと命に関わる場合もあります。もし、意識がもうろうとしてきた場合には原因がわからなくても助けを呼ぶか、すぐに救急車で病院を受診するようにしてください。

けいれん:全身が震える状態

けいれんも重度な低ナトリウム血症で出ることがあります。低ナトリウム血症のけいれんとは意識を失い手足が震えが起きている状態で、非常に危険な状態です。意識障害同様、すぐに治療しないと命に関わることもあります。すぐに救急車で病院を受診するようにしてください。

4. ナトリウムの値が低くても症状が現れないことがある?

ここまで低ナトリウム血症の重症度と症状の話をしてきましたが、ナトリウムの値が低くても症状があらわれなかったり、わかりにくかったりすることがあります。ナトリウムの値が低いにも関わらず、症状があらわれないのは主に以下のような場合です。

  • 低ナトリウム血症の期間が長い場合
  • 赤ちゃんやお年寄りの場合

詳しくは以下で説明していきます。

低ナトリウム血症の期間が長い場合

低ナトリウム血症の期間が長い場合、症状があらわれにくいことがあります。これは低ナトリウム血症の期間が長いと、体がナトリウムの低い状態に慣れてしまうためです。

ただし、低ナトリウム血症の期間が長いために症状がないと感じられる場合にも、集中力の欠如により転倒やそれに伴う骨折のリスクは増えるとされています。そのため、症状がない場合でも、可能であれば低ナトリウム血症の治療はした方が良いと考えられています。

参考文献
・福井次矢, 黒川 清/日本語監修, ハリソン内科学 第5版, MEDSi, 2017
 

赤ちゃんやお年寄りの場合

赤ちゃんやお年寄りは症状を他人に説明できない場合もあり、低ナトリウム血症の症状がわかりにくいことがあります。いつもより元気がないといった何気ない症状が、低ナトリウム血症が原因のこともあるので注意が必要です。低ナトリウム血症であるかどうかは、血液検査でナトリウムの値を計測することでわかるので、心配な方は血液検査でナトリウムの値を調べてみることをおすすめします。