せいじょうあつすいとうしょう

正常圧水頭症

水頭症の中で、頭の中の圧力(頭蓋内圧)が正常なもの

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6人の医師がチェック 93回の改訂 最終更新: 2017.12.06

正常圧水頭症の基礎知識

正常圧水頭症について

  • 水頭症の中で、頭の中の圧力(頭蓋内圧頭蓋骨の内側の圧力のこと。脳腫瘍や水頭症、脳浮腫、出血などの「場所をとる」病変があると、頭蓋骨の内側の圧力が上がることになる)が正常なもの
    • 水頭症とは、脳の中の脳室脳にある空間。左右の側脳室、第三脳室、第四脳室の4つの脳室があり、それぞれの脳室は互いにつながっているというスペースが大きく広がることで脳の症状が現れる病気
    • 脳室の中は「脳脊髄液脳や脊髄の周囲を満たしている体液」という液体で満たされ、循環している
    • 何らかの原因で脳脊髄液の流れが悪くなってしまうと、水頭症になる
    • 水頭症では通常、脳脊髄液が貯まりすぎて圧が高まることが多いが、正常圧水頭症では圧が正常である
  • 正常圧水頭症はその原因によって以下の2種類に大きく分けられる
  • 続発性ある病気が、自然発生したものではなく、他の病気や外部の要因によって引き起こされたものであるということ正常圧水頭症
    • 病気や外傷など、はっきりとした原因があって水頭症を起こしているもの
    • 病気の中ではくも膜下出血髄膜炎などが原因となりやすい
  • 特発性その病気や状態が引き起こされた原因が、未だ判明していないこと正常圧水頭症
    • 上記のような病気や外傷などはっきりした原因がなく発症症状や病気が発生する、または発生し始めることした正常圧水頭症
    • 高齢者に多く見られる
    • ふらつきなどの歩行障害、認知障害、排尿障害排尿に様々な異常がある状態。尿が出にくい、尿がもれる、頻尿、排尿時痛などの症状の総称などが主な症状であり、認知症と診断されることも少なくない

正常圧水頭症の症状

  • 典型的な症状
    • 歩行障害
      麻痺神経の障害により、手足などに十分な力が入らない、感覚が鈍くなるなど、身体機能の一部が損なわれることがないのにうまく歩くことができなくなる
    • 尿失禁
    • 認知症症状
  • 上記の3つの症状のうち、歩行障害が最も早期にみられる特徴的な症状とされている

正常圧水頭症の検査・診断

  • 画像検査:脳室脳にある空間。左右の側脳室、第三脳室、第四脳室の4つの脳室があり、それぞれの脳室は互いにつながっているが拡がっていることを確認する
    • 頭部CTX線(放射線)を用いて頭の中の状態を調べる検査。脳出血や水頭症の確認などに使われることが多い:脳室の拡がり具合をみるだけなら、CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査で十分である
    • 頭部MRI磁力(電磁波)を用いて、頭の中の状態を調べる検査。脳梗塞の診断などに用いられることが多い脳腫瘍など水頭症の原因を探すときには、MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査が役に立つ
  • 髄液検査背中側から背骨の間に針を刺して、髄液と呼ばれる液体を採取する検査。脳や脊髄に異常がないかを確認するために行う腰椎穿刺背中側から背骨の間に針を刺して、髄液と呼ばれる液体を採取する検査。脳や脊髄に異常がないかを確認するために行う
    • 腰椎穿刺を行って、髄圧を調べる
  • タップテスト(髄液脳や脊髄の周囲を満たしている体液排除試験)
    • 髄液を数十cc取り出すことで症状が改善する場合は、正常圧水頭症が疑われる
    • 症状の改善を評価するために、前後で歩行を比較する

正常圧水頭症の治療法

  • 溜まっている脳脊髄液脳や脊髄の周囲を満たしている体液を手術によって排出する
  • 脳室脳にある空間。左右の側脳室、第三脳室、第四脳室の4つの脳室があり、それぞれの脳室は互いにつながっている・腹腔シャント血液や液体が、本来の流れとは異なる経路を形成している状態。病気の一側面であったり、手術であえてシャントをつくったりすることもある術(VP シャント)
    • 脳室から腹腔に向けてチューブを通し、脳脊髄液を腹腔に流す
  • 腰部くも膜脳や脊髄を包む3層の膜(髄膜)のうち、中央にある薄い膜。この内側がくも膜下腔と呼ばれ、ここに生じる出血がくも膜下出血である下腔・腹腔シャント術(LP シャント)
    • 腰部くも膜下腔から腹腔に向けてチューブを通し、脳脊髄液を腹腔に流す
  • 第三脳室開窓術
    • 近年発展してきた内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途があるによる手術
    • 内視鏡を用いて、第三脳室の壁に穴を開けて、脳脊髄液を第三脳室から脳のくも膜下腔に流す
    • シャント術ではチューブ(異物)を体内に埋め込むので、感染やチューブの閉塞・断裂が起こりやすいが、第三脳室開窓術では異物を埋め込まない点が優れている

正常圧水頭症の経過と病院探しのポイント

正常圧水頭症かなと感じている方

正常圧水頭症では、歩行がしにくくなる、尿失禁してしまう、認知機能が低下してしまうといった症状が現れます。

正常圧水頭症は、認知症の検査、あるいは頭を打ったりした時に頭のCTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査を撮って、正常圧水頭症を疑われることが多いです。ご自身やご家族がこの病気ではないかと心配な場合、あるいは頭のCTやMRIでこの病気が疑われた場合、クリニックや病院の脳神経外科受診が適しています。

正常圧水頭症の診断は問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことと診察、画像検査で行われます。最終的には腰椎穿刺背中側から背骨の間に針を刺して、髄液と呼ばれる液体を採取する検査。脳や脊髄に異常がないかを確認するために行う(ルンバール)を行って、髄液脳や脊髄の周囲を満たしている体液を抜いてから数日間様子を見て、上記のような症状が改善しているかどうかで診断、治療を決定します。

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正常圧水頭症でお困りの方

正常圧水頭症の治療はシャント血液や液体が、本来の流れとは異なる経路を形成している状態。病気の一側面であったり、手術であえてシャントをつくったりすることもある術になります。脳室脳にある空間。左右の側脳室、第三脳室、第四脳室の4つの脳室があり、それぞれの脳室は互いにつながっている腹腔シャント術(VPシャント)と腰部くも膜脳や脊髄を包む3層の膜(髄膜)のうち、中央にある薄い膜。この内側がくも膜下腔と呼ばれ、ここに生じる出血がくも膜下出血である下腔腹腔シャント術(LPシャント)という2つのやり方があり、それぞれのメリットやデメリット、患者さんの状態に応じて使い分けられますが、どちらでも治療効果に明らかな差はありません。

正常圧水頭症は脳神経外科医にとっては一般的であり、また手術自体も他の脳外科手術と比べて特別に難しいわけではありません。大学病院や脳神経外科で有名な病院に行かなくても、一般的な病院の脳神経外科であれば十分診断と治療ができます。

正常圧水頭症の手術に関して大切なことは、手術をしてみないとその効果は分からないということです。例えば認知機能が低下している人が正常圧水頭症の手術を受けても、完全に治るわけではありません。むしろ正常圧水頭症になる高齢者はアルツハイマー型認知症脳血管性認知症合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることしていることも多く、手術後の認知機能の改善効果は、限定的であると考えてください。手術の効果を予測するために、事前に腰椎穿刺背中側から背骨の間に針を刺して、髄液と呼ばれる液体を採取する検査。脳や脊髄に異常がないかを確認するために行うを行って、髄液脳や脊髄の周囲を満たしている体液を少量抜いて、数日間様子を見ます。

正常圧水頭症が疑われていても、効果があまり期待できなさそうという理由も含め、様々な理由で手術をせずに様子を見ている方も大勢います。脳神経外科の主治医と、よく相談して、納得の出来る判断意思決定をなさってください。

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