しょくどうれっこうへるにあ
食道裂孔ヘルニア
横隔膜の一部には食道が通る穴が空いており、この穴から胃が上側に引っ張られてはまり込んだ状態
6人の医師がチェック
89回の改訂
最終更新: 2021.06.04
食道裂孔ヘルニアの基礎知識
POINT 食道裂孔ヘルニアとは
食道裂孔ヘルニアは横隔膜にある食道が通る穴に胃が引っ張られて頭側にはまり込んだ状態です。加齢・肥満・強い咳・生まれつき食道裂孔がゆるいなどが原因になります。主な症状は胸焼け・胸部違和感・胸痛などになります。 症状や身体診察に加えて、食道造影検査や上部消化管内視鏡検査を用いて診断します。治療は必要としない場合がほとんどですが、逆流性食道炎が見られる場合に薬物療法や手術を行うことがあります。食道裂孔ヘルニアが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。
食道裂孔ヘルニアについて
食道裂孔ヘルニアの症状
- 横隔膜は食道を外から圧迫することで、胃の中身が食道に逆流するのを防ぐ機能を持っている
- 食道裂孔ヘルニアが生じると、横隔膜の逆流防止機能が正常に働かず、逆流(胃食道逆流)が起こりやすくなる
- 胃食道逆流が起こると以下の様な症状が起こる
- 胸やけ
- 胸痛
- つかえ感
- 以下のタイミングで症状を強く自覚することがある
- 夜間就眠時:特に明け方
- か
がん だとき - 食後しばらくしたとき
- 刺激物(酒、たばこ、コーヒーなど)を口にしたとき
食道裂孔ヘルニアの検査・診断
- 画像検査
上部消化管造影検査 :バリウムを使って、食道の状態を調べる胃カメラ (上部消化管内視鏡検査 ):食道の有無を調べる
- 食道内圧測定
食道裂孔ヘルニアの治療法
ヘルニア そのものがあっても、症状が無ければ必ずしも治療を行う必要はない- 逆流性食道炎の症状がある場合には、治療対象となる
- その際の治療方法
- 薬物治療:胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカーなど)
- 手術
- その際の治療方法