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ADH分泌不適合症候群(SIADH)

抗利尿ホルモンのバランス異常により、体の中に水分が必要以上に貯まってしまい、血液が薄くなってしまう病気

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9人の医師がチェック 188回の改訂 最終更新: 2016.10.05

ADH分泌不適合症候群(SIADH)の基礎知識

ADH分泌不適合症候群(SIADH)について

  • 体から水分が出るのを防ぐ抗利尿ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれる(ADH、バゾプレシン)の過剰な分泌による
  • 抗利尿ホルモン過剰分泌の結果、体の中に水分が必要以上に溜まってしまい、血液が薄くなってしまう病気
    • 特に低ナトリウム血症(血中ナトリウムイオンが異常に少なくなること)を起こしやすい
  • 主な原因
    • 脳の障害
      脳挫傷
      脳卒中脳梗塞脳出血
      ・脳炎、髄膜炎
      脳腫瘍
      くも膜下出血 
    • 肺疾患
      肺炎
      肺がん
      肺結核
      肺膿瘍 など
    • 膵臓がん
    • 薬剤性薬が原因となって病気が引き起こされたり症状が現れたりすること
      抗がん剤悪性腫瘍(がん)に効果を発揮する薬剤。ただし、がん以外の良性疾患に用いられることもある(ビンクリスチン、シスプラチンなど)
      抗精神病薬向精神薬の一種で、主に統合失調症に対して使われる精神科の薬(ハロペリドールなど)
      ・抗うつ薬(アミトリプチリン、イミプラミン)
      ・抗けいれん薬(カルバマゼピン)
      脂質異常症治療薬(クロフィブラート) など
  • SIADHと確実に診断することは難しいが、SIADHに近い状態であると疑われる患者数は多い

ADH分泌不適合症候群(SIADH)の症状

  • 症状だけから診断がつくような、わかりやすい症状はない
  • 軽度では無症状
  • 低ナトリウム血症の場合に起こる症状
    • 全身のだるさ
    • 食欲不振
    • 頭痛
    • 吐き気
    • 筋肉のこむらがえり
    • 意識もうろう
  • 重症の場合に起こる症状
    • 呼吸困難
    • けいれん
    • 意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれる

ADH分泌不適合症候群(SIADH)の検査・診断

  • 血液検査
    • 低ナトリウム血症
    • 血液の浸透圧が低い(血液が薄まっている)
    • 腎機能腎臓の機能。腎臓がどれだけ血液をろ過してきれいにできるかを示す。血液検査でクレアチニンの値を元に判断されるが正常であるかどうか
    • 抗利尿ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるのチェック
    • 副腎皮質ホルモン副腎皮質で作られるホルモンで、ステロイドホルモンとも呼ばれる。コルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンの3種類があるのチェック  など
  • 尿検査:尿の濃度やナトリウムの値をチェック(SIADHでは尿が濃くなる)
  • SIADHを起こすような病気がないかどうか画像検査などを行うことが多い
    • 胸部X線 X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われる写真
    • CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査
    • 頭部MRI磁力(電磁波)を用いて、頭の中の状態を調べる検査。脳梗塞の診断などに用いられることが多い検査
    • 場合によってはPET検査放射線を発する物質(放射性物質)を体内に入れて、特定の臓器や腫瘍にそれが集まる性質を利用して病気の有無や位置を調べる検査で全身を調べる

ADH分泌不適合症候群(SIADH)の治療法

  • 食塩を食べさせることも重要。ご飯に食塩を添加することが多い。 原疾患がある場合はそちらの治療を行う。
  • 原因がはっきりしていればその対応、治療を行う
  • SIADHに対する主な治療
    • 食塩の摂取
    • 飲水制限(800ml/日程度)
    • 利尿薬の使用
    • けいれんなどがある場合は濃い食塩水の点滴(ナトリウムの補給)を行うこともあるが、急激にナトリウム濃度を変化させすぎないよう注意が必要

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