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ADH分泌不適合症候群(SIADH)
抗利尿ホルモンのバランス異常により、体の中に水分が必要以上に貯まってしまい、血液が薄くなってしまう病気
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最終更新: 2022.06.09
ADH分泌不適合症候群(SIADH)の基礎知識
POINT ADH分泌不適合症候群(SIADH)とは
ADHという水分を身体の中にとどめておく働きがあるホルモンの異常によりさまざまな症状が現れる病気で、SIADHと呼ばれます。脳の病気(下記参照)や肺の病気(下記参照)、薬の副作用などが原因となります。血液が薄くなり、低ナトリウム血症を起こし、全身のだるさや食思不振、頭痛、吐き気などが起こります。重症の人では呼吸困難やけいれん、意識障害を起こすこともあります。SIADHが疑われる人には血液検査や尿検査、画像検査を行いその程度や原因が調べられます。SIADHを専門的に治療しているのは内分泌内科や腎臓内科ですが、まずはかかりつけの内科があれば受診するようにしてください。
ADH分泌不適合症候群(SIADH)について
ADH分泌不適合症候群(SIADH)の症状
症状 だけから診断がつくような、わかりやすい症状はない- 軽度では無症状
- 低ナトリウム血症の場合に起こる症状
- 全身のだるさ
- 食欲不振
- 頭痛
- 吐き気
- 筋肉のこむらがえり
- 意識もうろう
- 重症の場合に起こる症状
- 呼吸困難
- けいれん
意識障害
ADH分泌不適合症候群(SIADH)の検査・診断
ADH分泌不適合症候群(SIADH)の治療法
- 食塩を食べさせることも重要。ご飯に食塩を添加することが多い。 原疾患がある場合はそちらの治療を行う。
- 原因がはっきりしていればその対応、治療を行う
- SIADHに対する主な治療
- 食塩の摂取
- 飲水制限(800ml/日程度)
- 利尿薬の使用
- けいれんなどがある場合は濃い食塩水の点滴(ナトリウムの補給)を行うこともあるが、急激にナトリウム濃度を変化させすぎないよう注意が必要