ようつうしょう
腰痛症
さまざまな原因により、腰が痛くなる病気の総称
13人の医師がチェック 171回の改訂 最終更新: 2023.06.28

腰痛のセルフケア:おすすめのストレッチは? 市販の湿布や痛み止めは効く? 整体、鍼灸、カイロプラティックの効果は?

腰痛に対するストレッチ(体操)は、リハビリテーションのひとつとして大事です。また、整体、鍼灸、カイロブラティックなどを試している人も少なくないと思います。ここでは、急性腰痛や腰のヘルニアで行うリハビリテーションや市販薬など、効果的なセルフケアついて解説します。

1. 腰痛にいいストレッチとは?

ぎっくり腰の直後にストレッチ(体操)を行うことは危険です。腰痛の原因が骨粗鬆症や外傷である場合も、ストレッチをするとかえって悪化する可能性が考えられます。そのため、急激に腰痛があらわれた場合は、ストレッチをする前に医療機関を受診するようにしましょう。

一方、腰痛が慢性化している場合では、ストレッチ(体操)が有効であるという過去の報告があります。また、通常の腰痛治療とストレッチを両方とも行うことで、通常の腰痛治療を行うよりもより痛みが改善すると言われています。

それでは、どのようなストレッチ(体操)を行うことが良いのでしょうか。以下に例をあげます。

ただし、正しいストレッチ方法を行わないと腰痛を悪化させる可能性がありますので、必ず専門家に適切な指導を受けてください。

背部痛および腰痛がある場合のストレッチ方法の一例

背部痛および腰痛がある場合のストレッチ方法の一例

膝を伸ばして床に座り、そのままゆっくり頭を膝につけるように腰を曲げます。足を伸ばして床に座ることができない場合は、膝を軽く曲げても構いません。この運動を数回繰り返し行います。

骨盤の周りに腰痛がある場合のストレッチ方法の一例

骨盤の周りに腰痛がある場合のストレッチ方法の一例

軽く足を広げて床に座ります。片方の足を内側に曲げ、伸ばした方の足に向かって身体を倒します。このとき、伸ばした足と反対の手を上げ、ゆっくりと身体を曲げることで、より筋肉が伸ばされます。

太ももの裏側まで痛みがある腰痛のストレッチ方法の一例

太ももの裏側まで痛みがある腰痛のストレッチ方法の一例

軽く足を広げて床に座ります。片方の足を内側に曲げ、伸ばした方の足に胸を付けるようにして身体を倒します。このとき、つま先をたてることでより筋肉が伸ばされます。

このように、痛みが生じた筋肉によって、ストレッチ方法はさまざまです。自分はどの筋肉に痛みが生じているかを適切に診断し、痛みのない範囲でストレッチを行ってください。

腰椎椎間板ヘルニア発症した人向けのストレッチ方法も慢性腰痛と類似した方法になりますが、診療ガイドラインに掲載されるほどの明確な根拠があるかというと、まだ発展途上の部分も多いのが現状です。よく専門家の話を聞きながら、実践するようにしてください。

2. ストレッチ以外のリハビリについて

ぎっくり腰(急性腰痛)

【運動療法】
ぎっくり腰(急性腰痛)に対するストレッチの効果と同様に、どのような運動に効果があるかといったことは不明です。特定の方法(マッケンジー法と呼ばれるものなど)では、ぎっくり腰を改善するかもしれないという研究は、報告されています。

【マニピュレーション】
マニピュレーションとは、筋肉や関節を動かしながら治療する方法です。急性腰痛を発症してからマニピュレーションを6週間以内に行うと、短期的に腰痛が改善するといわれています。

【物理療法(温める・冷やすなど、物理的刺激を加える方法)】
腰痛になると必ずと言って良いほど出てくる、「温めるか、冷やすか」問題ですが、急性腰痛症においては、どちらも効果に関して明確に確立された根拠はありません。

炎症があるうちは冷やしたほうが良いという考えがありますが、今のところ、はっきりと「どちらが良い」と言えない現状があります。

超音波療法、牽引療法、マッサージ、電気刺激について有効であるという明確な根拠はありません。電気刺激に関しては、個々の研究で効果があるかもしれないという結果が報告されています。

以上のように、ストレッチを除くと、リハビリの中でぎっくり腰(急性腰痛)の治療として有効性が示されているものは、マニピュレーションになります。しかし、マニピュレーションは、手技を行う医療者によっても効果が異なる可能性がありますので、現状では薬を用いた治療がぎっくり腰の痛みの軽減には汎用性が高そうです。

慢性腰痛

腰痛が出ている原因にもよりますが、例えば運動不足が原因であれば、腰への負担に配慮しながらウォーキングや体操などを行います。また、急性腰痛で紹介したマニピュレーション、物理療法も慢性腰痛には効果があるとしている論文も多く、リハビリで多く取り入れられている方法のひとつになります。

重症度にもよりますが、外来で通院したり、自宅でセルフケアをすることでも改善する余地がある慢性腰痛は多くあります。そのため、医療機関で悪い姿勢や動作について指導を受け、その後は自分でケアするという方法も選択肢のひとつです。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアに対してリハビリを行う場合は、大きく分けて2つあります。一つは、保存療法(手術を行わない場合)で行うリハビリ、もう一つは、手術後に行うリハビリです。

ここでは、保存療法(手術を行わない場合)のリハビリとして、マニピュレーション、筋力トレーニング、物理療法を紹します。

【マニュピレーション】
腰椎椎間板ヘルニアに対するマニピュレーションでは、まず背骨の中のどの骨がずれているのか、またどこで癒着が起こっているかを診断します。痛みの原因となっている関節がわかったら、その部位を出来るだけ伸ばしたり調整しながら関節を動かしやすくします。そのような動作を繰り返すことで、固まった筋肉や関節を徐々に正常な位置に戻します。

【筋力トレーニング】
腰椎椎間板ヘルニアによって弱くなる腹筋、背筋、足の筋肉を鍛えることになります。筋力トレーニングの方法はいろいろありますが、今回はその一部を紹介します。

  • 腹筋
    • 仰向けになり、両膝を立てます
    • 両腕を頭の後ろ、胸の前、前方にあげるのいずれかの位置に保ち、おへそを見ながら身体をおこします(痛みが出ない姿勢で行ってください)
    • 身体をおこすことが出来ない場合は、顎をひきお腹に力を入れるだけでも効果があります

腹筋

  • 背筋
    • うつぶせになり、おへその辺りに枕を入れます
    • その状態からゆっくり身体をおこして行きます
    • 床から10cmほど身体を浮かせることができたら、そのまま数秒間とめ、ゆっくりと元に戻します

ただし、この方法は難易度の高い方法ですので、行う必要性と適切な方法は専門家にも確認しましょう。

背筋

  • 歩く
    • 歩く際には、背筋を伸ばし、歩幅をやや広めにとると良いでしょう
    • 足をつくときはかかとからつき、足の指で地面をけるようにしてください

痛みがおさまって歩けるようになったら、正しい姿勢で歩く訓練を行います。正しい姿勢で歩くことは、腹筋や背筋だけでなく、お尻や太ももの筋力トレーニングにもなります。

ただし、以上の筋力トレーニングは適切な方法で行わないとかえって腰に負担をかけたり、痛みを増悪させることもありますので、指導を受けてから行うようにしてください。

【物理療法】
物理療法では、痛みがある部分を温めたり(温熱療法)、電気刺激を行うことがあります。主に病院で行うことになります。

  • 温熱療法
    • ホットパックと呼ばれる身体のいろいろな部分を温めることができるものなどを用いて、痛みが生じている部分を温めます。血行を良くし、固まった筋肉をほぐします。
  • 電気療法
    • 皮膚に電極を貼り、電流を流します。痛みを感じる神経を刺激し、痛みをやわらげます。

参考文献

・日本理学療法士協会, 理学療法診療ガイドライン第1版(2011) ・日本整形外科学会, 日本脊椎脊髄病学会/監修, 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン, 南江堂, 2011

3. 腰痛に対する整体の効果とは?

腰痛に対する整体の効果は、実はあまりわかっていません。整体は、筋肉のハリやバランスを整えながら不調となっている部分を修正し、症状を改善する手技のことを言います。腰痛や頸部痛、膝の痛みなどに行われることが多いですが、その手技は施術者個人の技術に頼るため、整体院によって感じる効果はさまざまです。急性腰痛に対しても慢性腰痛に対しても、整体は効果があるとしている報告もあれば、効果はみられないとしている報告もあり、判断は難しいのが現状です。また、その効果は一時的なものであり、幾日かで元に戻ってしまうという説もあります。そのため、過剰に効果を期待しないようにすることは大事です。

4. 腰痛に対する針(鍼灸)の効果とは?

腰痛に対する鍼灸の効果は、現状では乏しいというのが一つの見解です。その一方で、鍼治療は慢性腰痛に効果的であるという報告や、鍼治療の方法によっては急性腰痛にも効果があるとしている報告もあり、その結論は未だ出ていません。(MEDLEYニュース「慢性腰痛に手術以外の効果的な治療法とは?」もご参照ください)

また、少なくとも鍼灸でリラックスができる人は、精神的な面からも効果が望めるため、鍼治療を否定することはできません。ただし、鍼灸には注意点があります。針治療を行うことで、頭痛・疲労感・感覚の異常が起こることがあることがわかっています。どのような治療法でも同様ですが、治療の効果と同時にその危険性なども知っておくことは重要です。針治療の危険性について詳しい情報が知りたい方は「針治療にはどんな危険があるか?」をご覧ください。

5. 腰痛に対するカイロプラクティックの効果とは?

腰痛に対するカイロプラクティックについて知りたい人も多いと思います。カイロプラクティックは、整体と混同してしまいがちですが似て非なるものです。整体が全身のバランスを整えるのに対して、カイロプラクティックは脊柱(背骨)を中心に施術し、神経に働きかける方法になります。慢性的な腰痛に対する効果は乏しいという報告が多いですが、痛みが出てから3ヶ月以内の腰痛に対しては、短期間の有効性を報告しているものもあります。ただし、長期的な観点で考えると、腰痛の改善は乏しいことから、積極的には推奨できません。また、骨折や悪性腫瘍による腰痛だった場合は、カイロプラクティックを行うと悪化する危険性があるので、腰痛の原因を突き止めてから施行することが重要です。医療機関を受診し、一度相談してみると良いでしょう。

ここでは、腰痛に対する代替療法の効果について解説してきました。さまざまな方法が知られるようになってきていますが、全て効果があるわけではありません。また、代替療法によっては逆効果になってしまうものもあります。自分の腰痛がどのような状態であるかしっかり把握したうえで、もし代替療法で治るものであれば取り入れるという形が理想かもしれません。

参考文献 ・日本整形外科学会,日本腰痛学会/監修, 腰痛診療ガイドライン2012, 南江堂, 2012

6. 腰痛に対するピラティス

腰痛に対するピラティスの効果も検証されています。

ピラティスとはそもそもリハビリ方法の一種として行われており、音楽やリズムに合わせて、自分の体に意識を向け、体の深層の筋肉や普段使っていない筋肉などを活性化させながら運動する方法です。過去の報告では、薬による治療とピラティスを併行すると、薬による治療のみを行うよりも腰痛が改善したとされていますし、その他にもピラティスの有効性に関して多く研究されています。

しかし、ピラティスは見よう見まねでできるものではなく、必ず専門家の指導を受けてから、自宅でも行えるピラティスの方法を教えてもらうのが良いでしょう。

7. 腰痛におすすめのツボ(指圧)

腰痛が出た時に、まず指圧に通う人も多いと思います。ツボは、指で筋肉や皮膚のある一定点を押す方法です。皮膚にある感覚受容器と呼ばれる部分や神経が刺激されると、その刺激が脊髄、脳に伝わり、身体に起きている異常を取り除くことが狙いとされています。

腰痛におすすめのツボは腰の周りにあります。

  • 腎兪(じんゆ)
  • 志室(ししつ)
  • 大腸兪(だいちょうゆ)

膝の真裏にある委中(いちゅう)と呼ばれるツボもあります。

指で圧す以外にも、ボールに乗っかる形で体重を利用してツボを刺激する方法があります。

腰痛におすすめのツボ(腎兪(じんゆ)、 志室(ししつ)、 大腸兪(だいちょうゆ)、 委中(いちゅう))

しかし、全員に必ず効果があるという治療法はなく、人によってその効果は異なることや施術者の技術でも異なります。どのような効果や方法があるのか、専門家に聞くことも大事です。

8. 腰痛にマインドフルネスは効果的?

マインドフルネスは、心身の状態を高めることを指します。具体的には瞑想やヨガといったことを行います。

これまでにも、うつ症状やストレスに対する効果が研究されており、腰痛に対する効果も報告されています(詳しくは「薬を使わずに腰痛治療ができるの?腰痛にお悩みの方必見のマインドフルネスとは」をご覧ください)。もちろん、腰痛の原因によってもその効果は異なることが考えられます。マインドフルネスは、リフレッシュやリラックスの効果があるため、腰痛の原因となっているストレスや心の状態を改善する可能性もあります。

また、痛みに対する認知を改善する確立された方法(認知行動療法)と同等の効果があるとも言われており、注目されている方法です。

9. 腰痛に呼吸法は効く?

呼吸法は筋肉や神経の不調を整える方法として、リハビリでも取り入れられています。腰痛に対する呼吸法の報告としては、呼吸筋(呼吸で使う筋肉)をトレーニングすることで腰痛が改善すると言われていたり(詳しくはMEDLEYニュース「呼吸で腰痛が変わる?」をご覧ください)、ヨガのような呼吸法による効果も検証されています。

呼吸に使う筋肉を鍛えることで腰痛を改善するメリットだけでなく、リラックス効果による腰痛の改善とも考えられます。ゆっくりと深呼吸をすると、筋肉や神経が刺激を受けてリラックスできることがわかっています。腰痛の背景として心理的な不満やストレスが絡んでいることは多くの研究で報告されていますので、心理的な改善によって腰痛を緩和できる場合もあります。

自宅でも行える対処法は、前提として専門家の指導が必要なものです。必ず一度は相談して自宅でも行える方法の指導を受けてから実践するようにしてください。

10. 腰痛に使われる市販薬:ロキソニンと似た薬

画像:ロキソニンSのパッケージ写真。

腰痛に対して日本で一番多く使われている薬はNSAIDsです。

NSAIDs(エヌセイズ)という名前は非ステロイド性抗炎症薬の略です。「痛み止め」と呼ばれている薬の大半はNSAIDsに分類される薬です。市販薬のロキソニン®SなどもNSAIDsです。

市販薬(OTC医薬品)では多くの薬にNSAIDsが含まれています。商品名の例を挙げます。

NSAIDsの副作用は?

NSAIDsの副作用などで現れることがある症状・問題に以下があります。

  • 胃痛
  • 胸やけ
  • 腎機能の障害
  • 呼吸器症状(喘息など)

11. 腰痛に使われる市販薬:ラックルと似た薬

次の市販薬はアセトアミノフェンを有効成分としています。

アセトアミノフェンは処方薬のカロナール®やコカール®と同じ成分です。

アセトアミノフェンはNSAIDsとは少し異なる仕組みで腰痛や発熱などを抑える薬です。痛み止めの効果はやや劣りますが、安全性がメリットの一つです。

アセトアミノフェンは副作用が少ない

アセトアミノフェンは子供から高齢者まで幅広い年齢で使えます。妊婦への負担も少ないとされ、「医師の診断の下で使用に対して有益性が危険性を上回る場合」などの条件はつきますが、妊婦の腰痛にも使用可能な痛み止めの薬になっています。

副作用は非常にまれですが、肝機能障害には注意が必要とされています。

アセトアミノフェン以外の成分を含む薬に注意

アセトアミノフェンは非常に多くの市販薬で使われています。たとえばNSAIDsの一種であるエテンザミドとアセトアミノフェン、さらに無水カフェインを配合した市販薬があります。アセトアミノフェン以外の有効成分も副作用を起こす可能性があります。

12. 腰痛に湿布は効く?

次のような痛み止めの湿布薬やテープ剤、軟膏剤、クリーム剤なども腰痛に効果があります。

  • ケトプロフェン(商品名:オムニードケトプロフェンパップ)
  • インドメタシン(商品名:バンテリンコーワゲルEXなど)
  • ロキソプロフェンナトリウム(商品名:ロキソニン®Sゲルなど)
  • ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン®ACゲルなど)
  • フェルビナク(商品名:オムニードフェルビナクなど)
  • サリチル酸メチルの湿布薬(商品名:サロンパス®など)

多くは飲み薬や坐剤(坐薬)としても使われている成分を使っています。以下で説明します。

ケトプロフェン(商品名:オムニードケトプロフェンパップ)

オムニードケトプロフェンパップはNSAIDsのケトプロフェンを有効成分としています。ケトプロフェンは皮膚から吸収されやすく、処方薬でもモーラス®などの外用薬としてよく使われている成分です。

副作用として、貼った場所や周りに日光を浴びると発疹が出ることがあります(光線過敏)。使用後4週間は貼った場所を覆うべきとされます。

インドメタシン(商品名:バンテリンなど)

バンテリンコーワシリーズはNSAIDsのインドメタシンを有効成分としています。インドメタシンは処方薬でもインテバン®クリームなどの外用剤として使われています。

インドメタシンを使った市販薬には、剤形が違う多くの種類があります。

  • バンテリンコーワエアロゲルEX
  • バンテリンコーワゲルEX
  • バンテリンコーワ新ミニパット  ほか

ロキソプロフェンナトリウム(商品名:ロキソニンSゲルなど)

ロキソニン®Sゲルロキソニン®Sテープロキソニン®Sパップの有効成分は、飲み薬のロキソニン®Sと同じロキソプロフェンナトリウムです。

ロキソプロフェンナトリウムは、処方薬のロキソニン®にも使われているNSAIDsです。

フェルビナク(商品名:オムニードフェルビナクなど)

フェルビナクは主に外用製剤の成分として使われているNSAIDsです。処方薬でも使われているほか、市販薬にもオムニードフェルビナクなど多数の薬があります。

ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンACゲルなど)

市販薬のボルタレン®シリーズは、処方薬のボルタレン®と同じ有効成分を含んでいます。有効成分はNSAIDsのジクロフェナクナトリウムです。ボルタレン®ACゲルなどはメントールの匂いがありません。ボルタレン®EXゲルなどは、l-メントールを配合してさわやかな感じにしています。

サリチル酸メチルの湿布薬(商品名:サロンパスなど)

サロンパス®はNSAIDsの湿布薬です。サリチル酸メチルが有効成分です。サリチル酸メチルの湿布薬には処方薬・市販薬ともに多くの製剤があります。

市販薬の例として冷感ユーシップMS温感ユーシップMSがあります。「温」はトウガラシエキスを含みます。「冷」はl-メントール(ハッカの成分)を含みます。一般に、急性の痛みは冷やし、慢性的な痛みは温めるのが適するとされます。

13. 腰痛には湿布と飲み薬のどっちがいい?

湿布薬や塗り薬は副作用が少ないというメリットがあります。特に全身に出る副作用は少ないとされます。ただし使用部位のかぶれなどには特に注意が必要です。一方、効果は飲み薬などに比べるとやや劣るとされます。

貼り薬や塗り薬は、薬剤が皮膚から浸透することで効果を現します。飲み薬や坐剤(坐薬)などと違い、血管内に薬剤が浸透していきません。このため効果がやや弱く、副作用も少なく現れます。