◆不眠症に対する針治療の有害事象を調査
今回の研究は、過去に不眠の治療効果を検証した研究で対象となった150人の有害事象の報告から、伝統的な針治療、最小限の針治療(針は刺すが、手で刺激を与えない方法)、偽針治療の3種類の針治療の危険性を調査しました。
◆多かった有害事象は頭痛、知覚異常、疲労感
以下の結果が得られました。
患者あたりのすべての有害事象の発生率は、伝統的な針治療で42.4%、最小限の針治療で40.7%、非侵襲的な偽針治療で16.7%であった。
伝統的な針治療または最小限の針治療を行っていると、実際には針を刺さない偽針治療に比べて有害事象が多く、その有害事象としては、頭痛、知覚異常、疲労感が多いという結果でした。
また、有害事象の発生は、慢性的な病気がない人で多く見られれました。
今回の研究結果は、不眠を持つ患者を対象とした場合であり、他の疾患ではどのような結果になるかはわかりません。針治療を行うと、このようなことも起こりうるかもしれないということを頭のすみに置いておくとよいかもしれません。
執筆者
Risk factors associated with adverse events of acupuncture: a prospective study.
Acupunct Med. 2014 Dec
[PMID: 25271149]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。