きしつせいせいしんしょうがい
器質性精神障害
脳への障害や身体の病気により、脳に影響が出て精神症状が現れること。頭部外傷、脳腫瘍、脳卒中、感染症などが原因
10人の医師がチェック 95回の改訂 最終更新: 2023.08.19

器質性精神障害の基礎知識

POINT 器質性精神障害とは

脳の障害や全身の病気による影響で、精神症状が現れる病気のことです。具体的には、脳卒中や頭部外傷が脳の障害にあたり、感染症や甲状腺疾患、ビタミンB1欠乏症、肝性脳症が全身の病気にあたります。認知症に似た症状が現れます。具体的には、記憶障害や注意力の低下などです。うつ症状や幻視、幻聴をともなうこともあります。頭部CT検査やMRI検査などの画像検査、脳波検査、血液検査で原因が調べられます。原因によって治療法が異なり、例えば脳の損傷がある人の一部には手術が検討され、感染症が原因であれば抗菌薬などを用いて治療します。器質性精神障害は脳神経外科、神経内科、精神科、内分泌内科などが協力して診療が行われます。

器質性精神障害について

器質性精神障害の症状

  • 認知症様の症状が出ることが多い
    • 記憶障害(新しいことを覚えられないことが多い)
    • 注意が散漫になる
    • 着替えや買い物などの手順や段取りがわからない
    • 暴力行為、衝動的行動など
  • うつ病の症状や幻視や幻聴といった症状が出ることもある

器質性精神障害の検査・診断

  • 画像検査:脳の損傷の有無や度合いを調べる
    • 頭部CT検査:脳や頭蓋骨に損傷がないかを調べる
    • 頭部MRI検査:脳の形や炎症の程度を調べる
  • 脳波検査
    • 異常脳波(てんかん発作など)の有無を調べる

器質性精神障害の治療法

  • 原因になった病気の治療をする
    • 感染症があれば抗菌薬などを使って治療する
    • 頭部外傷による慢性硬膜下血腫などがあれば手術で取り除く
    • 脳腫瘍があれば手術で取り除く
    • その他
  • 精神症状の対症療法を行う
    • 抗うつ薬
    • 抗不安薬
    • その他
  • リハビリテーション
    • 高次機能障害に対して、言語聴覚療法や作業療法を行う
    • 完治は難しく、認知症などが後遺症として残ることが多い
    • リハビリテーションで能力を回復させることは、その後のうつ病予防など精神面にも良い作用を及ぼす

器質性精神障害のタグ

からだ

器質性精神障害に関わるからだの部位