じりつしんけいしっちょうしょう
自律神経失調症
自律神経のバランスが崩れた際に起こる症状の総称。めまいや耳鳴り、頭痛など様々な症状が出現する
18人の医師がチェック 247回の改訂 最終更新: 2025.06.24

自律神経失調症の検査について:シェロング起立試験、心拍変動試験など

自律神経失調症は検査で異常が出にくい病気なので、診断が簡単ではありません。自律神経の働きを確認する検査もありますが、他の病気と区別が難しいため、まず自律神経失調症以外の病気が隠れていないかを確認します。

1. 自律神経失調症とほかの病気を区別する検査

自律神経失調症が疑われるとき、まずは身体・精神の別の病気がないかを調べます。例えば自律神経の異常を引き起こす糖尿病パーキンソン病、自律神経失調症と似た症状が現れる貧血バセドウ病うつ病といった病気です。また、自律神経失調症と関係の深い片頭痛緊張型頭痛メニエール病過敏性腸症候群などがあるかも調べます。

そのため、症状に応じて身体診察に加えて、血液検査、尿検査、超音波検査心電図検査CT検査、MRI検査などさまざまな検査が行われます。

2. 自律神経のはたらきを確認する検査

自律神経失調症の診断は検査では簡単ではありません。しかし、自律神経のはたらきを確認するための特殊な検査によって、自律神経の働きを調べることができます。

自律神経の働きを調べる代表的な検査として、「シェロング起立試験」と「心拍変動試験」があります。

シェロング起立試験

自律神経の働きが悪いと、横になった状態から立ち上がった時に、血圧をうまく調整することができなくなってしまいます。この現象がめまいやたちくらみの原因だと考えられています。

シェロング起立試験では、まずはじめに横になった状態で収縮期血圧上の血圧)と拡張期血圧下の血圧)の両方を記録します。次にその場で立ち上がり、10分間にわたって1分ごとに血圧を測ります。「収縮期血圧が21mmHg以上下がり、拡張期血圧も16mmHg以上下がる場合」は、立ちくらみやめまいなどの症状が出やすい状態です。「収縮期血圧は下がるが、拡張期血圧は上がる場合」は、手足の末端から心臓に血液が戻りにくい状態で、疲れやすい、だるいといった症状に関係している可能性があります。このような結果が出た場合には、自律神経のバランスが崩れていると考える一つの判断材料となります。

心拍変動検査

深呼吸をゆっくりと繰り返している状態で心電図をとり、心拍数を数える検査です。息を吸ったときに脈が速くなって、吐いた時に脈が遅くなるのが、副交感神経が活発になっている人に見られる正常の反応です。しかし、ストレスで交感神経が活発になりすぎていると、この脈拍の変化が通常よりも小さくなってしまいます。

3. 自律神経失調症には診断基準があるのか

自律神経失調症は人によって症状が異なります。そのため、明確な診断基準は設定されていません。お医者さんは身体や精神に病気がないかを調べ、他に病気がないことを確認した後に、検査結果、問診、症状を総合的に判断して自律神経失調症と診断します。病気を一つひとつもれなく調べるのは大変な作業なので、自律神経失調症の診断には時間がかかることが多いです。

参考文献

e-ヘルスネット自律神経失調症