自律神経失調症の治療について:薬物療法、心理療法、認知行動療法
自律神経失調症の
1. 自律神経失調症の薬物療法
自律神経失調症を治すにはストレスへの対処も重要ですが、医療機関で処方される薬も有効です。(ストレスへの対処法について詳しくはこちらを読んでください。)
薬物療法を受けることによって、症状の改善が期待できます。自律神経失調症の薬はたくさんあるのでここでは概要にとどめます。詳しく知りたい人は種類ごとにリンクがありますので、そちらのページを読んでください。
【自律神経失調症の治療薬】
- 「自律神経失調症に効果が期待できる市販薬」
- 市販薬でも自律神経失調症の症状に対する効果を期待できるものがあります
- 「病院で処方される自律神経調整薬、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、ホルモン剤など」
- 病院で自律神経失調症に対して処方される薬の代表は、
自律神経 のバランスを改善する薬、不安を改善する薬です
- 病院で自律神経失調症に対して処方される薬の代表は、
- 「自律神経失調症への効果が期待できる漢方薬」
- 漢方薬には自律神経失調症の不眠症状などを改善するものがあります
薬物療法はあくまでも症状を和らげる治療であって根本的な治療ではありません。つまり、この薬さえ飲めば治るというわけではありません。とはいえ症状が強い時は、ひとまず薬で和らげるのが重要です。自律神経失調症の症状がストレスを生み、さらに症状を悪化させるという悪循環に繋がってしまうからです。ストレスの除去と並行して、薬で症状を和らげて悪循環を断ち切ることが大切です。
2. 自律神経失調症の心理療法:自立訓練法・認知行動療法・森田療法・バイオフィードバック法
精神的ストレスは自律神経失調症の原因の一つです。精神的ストレスに対する治療法として心理療法があります。
心理療法とは、恐怖心・不安・緊張感などの感情を和らげたり、ものごとの捉え方のゆがみを認識したり変えたりする治療法です。自律神経失調症に対して行われる心理療法には数十種類も方法があるので、ここでは代表的なものを紹介します。
自律神経失調症の心理療法:自律訓練法
少し語弊があるかもしれませんが、自律訓練法は催眠療法のようなものです。自己暗示をかけることで心と身体をリラックスさせ、症状を改善します。臨床心理士などの専門的な知識を持つ人が行うと高い効果が見込めるのですが、簡単なものならば自分ひとりで試してみることも可能です。
具体的にはまず、静かな場所で仰向けに寝るか座った状態で楽な姿勢をとります。次に、「気持ちがとても落ち着いている」、「右手が重い」、「左手が重い」、「足が重い」、「右手が温かい」、「左手が温かい」などと心のなかで順番に唱えながら、自分に暗示をかけていきます。最後に、手足を伸ばしたり屈伸したりして終わります。
自律神経失調症の心理療法:認知行動療法
認知とは考え方やものごとのとらえ方のことです。
■認知のゆがみについて
認知のゆがみとは、例えば「自分の仕事や結果には少しのミスも許されない」という完璧主義や、「自分はもっと勉強を頑張るべきだ」という「すべき思考」、「夫が自分に暴力を振るうのは、いろいろミスをしてしまう自分が悪い」という不適切な責任感などを指します。認知にゆがみが生じると強い精神的ストレスを感じてしまい、自律神経失調症などの原因にもなります。
■認知行動療法ではどんなことをするのか
自律神経失調症の認知行動療法は、まず自分の認知のゆがみのパターンを知ることから始まります。そして、その認知のパターンを、日常生活や日々の行動を通じて、少しずつ変化させていきます。認知行動療法は臨床心理士のもとで行うのが望ましいですが、最近は認知行動療法の書籍も多く出回っていて、中には自分で学びながら認知行動療法を行えるようなものもあります。
自律神経失調症の心理療法:森田療法
森田療法は、1920年代に精神科医の森田正馬医師が開発した心理療法です。森田療法ではあるがままの自分を受け入れる心を育てることによって、精神的な問題を克服していきます。
自律神経失調症の人はめまいや頭痛、肩こりなどさまざまな症状に苦しめられることがあります。症状のことを気にすれば気にするほど、あるいは改善しようと思えば思うほど、精神的ストレスを感じてさらに症状が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
森田療法を行うことで、症状の受け入れや、症状にともなう不安などのネガティブな感情の克服が可能になることがあります。
自律神経失調症の心理療法:バイオフィードバック法
バイオフィードバック法とは、生体情報の自覚を使った心理療法です。心拍数や血圧などの生体情報を記録して、緊張の度合いを自分で確認できるようにします。
例えば、緊張している状態では
バイオフィードバック法で心拍数の増加や血圧の上昇といった情報を確認することで、本来であればリラックスしている場面での緊張状態に気づくことができるようになります。このように自分の状態をより把握することが緊張状態の緩和などに役立ちます。
参考文献: e-ヘルスネット自律神経失調症