自律神経失調症の症状①ーよくある症状:めまい・頭痛・不安、微熱など
自律神経失調症ではさまざまな症状があらわれます。このページでは症状が多様である理由や、それぞれの症状の特徴を説明します。
目次
1. 自律神経失調症の症状の特徴

自律神経失調症の症状はその人によってさまざまです。例えば、「肩こりがひどくて、腰も頭も痛い」、「めまいがあって、立ち上がった時にふらついてしまう」、「手足が冷えて、たまにしびれるときもある」、「胸がドキドキ、苦しい感じがする」というように、個人差が大きいのが特徴です。
【自律神経失調症の症状の特徴】
- 個人差が大きい
- 身体の一か所だけに症状が出るのではなく、あちこちに多様な症状があらわれる
- 時間帯によって、また日によっても症状が変わる
- ストレスと連動して、症状が良くなったり悪くなったりする
自律神経失調症の症状は複数見られることが多く、時間帯や日によって変化があることも珍しくありません。
多くの臓器のはたらきに
2. 自律神経失調症が原因となりえる症状にはどんなものがあるのか
自律神経失調症の症状は多様なのですが、次のように「身体にあらわれる症状」と「心にあらわれる症状」の2つに大別できます。
【身体にあらわれる症状】
- 頭や顔にあらわれる症状
- 胸にあらわれる症状
- ドキドキする(
動悸 ) - 胸の痛み(胸痛)
- 胸が締め付けられる感じがする(胸部絞扼感(きょうぶこうやくかん))
- ドキドキする(
- 呼吸にあらわれる症状
- 息切れ、息苦しい
- 呼吸困難
- 首、肩、背中、腰にあらわれる症状
- 痛み、コリ
- 胃腸にあらわれる症状
- 吐き気、嘔吐
- 気持ち悪い
- 食欲不振
- 便秘、下痢
- 手足にあらわれる症状
- しびれ
- 冷え
- ふるえ
- 力が入りにくい
- 関節の痛み
- 生殖器にあらわれる症状
- 生理不順:生理のリズムが乱れる
- 生理痛
- 膀胱(ぼうこう)の症状
- 尿が出にくい
残尿感 頻尿
- その他・全身の症状
- 微熱
- 疲れやすい(易疲労感)
倦怠感 - めまい、ふらつき、立ちくらみ
- 汗が多い/汗が少ない
【心にあらわれる症状】
- イライラ
- 不安
- 集中力の低下
- 気分の落ち込み
- 意欲がわかない
- 不眠、寝付きが悪い
- うつっぽい気分
このようにさまざまな症状がありますが、その中でも多くの人が困っている「めまい」「頭痛」「微熱」について以下で詳しく説明します。
3. 自律神経失調症の主な症状①:めまい
めまいは自律神経失調症の代表的な症状です。しかし、めまいを起こす病気は他にも存在し、その様子もさまざまです。メリーゴーラウンドに乗っている時のように「目の前がぐるぐると回転するようなめまい」もあれば、立ちくらみや、ふわふわ・くらくらとして地に足がつかないような感じを「めまい」と表現することもあります。
自律神経失調症とより関連が強いことが多いのは、「ふわふわ・くらくら」と表現されるめまいです。ぐるぐる目の前が回転するようなめまいは、良性発作性頭位めまい症やメニエール病などの可能性が考えられます。詳しくは「良性発作性頭位めまい症の詳細情報」「メニエール病の詳細情報」もあわせてご覧ください。
自律神経失調症が原因のめまいには、頭から顔面、首、肩にかけての筋肉の緊張が関係すると考えられています。人はストレスを感じると、自律神経の中でも
4. 自律神経失調症の主な症状②:頭痛
頭痛も自律神経失調症の代表的な症状の一つです。自律神経の乱れが原因となりうる頭痛は「片頭痛(偏頭痛)」と「緊張型頭痛」の2つです。
片頭痛(偏頭痛)
ズキズキ・ガンガンする痛みを繰り返すタイプの頭痛です。吐き気を伴うことや、頭の全体ではなく片側だけに痛みが起きやすいことも特徴です。ストレスによる自律神経のバランスの乱れが、片頭痛のきっかけになる可能性があります。詳しくは「片頭痛の詳細情報」をあわせてご覧ください。
緊張型頭痛
首や肩のこりが原因で起こる頭痛です。自律神経が乱れて、首や肩がこると緊張型頭痛につながる可能性があります。「頭全体がギューっとしめつけられるような痛み」や、「頭の重い感じ」が症状の特徴です。痛み止めの内服や、風呂、マッサージ、鍼などで張った筋肉をほぐすことも有効です。詳しい説明は「緊張型頭痛の詳細情報」を参考にしてください。
5. 自律神経失調症の主な症状③:微熱
自律神経失調症で微熱が出る人がいます。女性の場合には、妊娠中、そして排卵日から月経前の期間に基礎体温が高くなることが知られていますが、自律神経失調症ではそういった変化とは無関係に37度程度の微熱が続くことがあります。
参考文献