かわさきびょう
川崎病
小児に起こる全身の血管炎により、発熱・発疹・冠動脈病変など様々な症状を引き起こす
18人の医師がチェック 152回の改訂 最終更新: 2021.03.31

川崎病に多い症状:発熱、いちご舌、リンパ節腫脹など

川崎病ではさまざまな症状が出現します。中でも発熱や口の中の赤みといった症状は出現しやすいです。また、BCGワクチンを打ったあとが赤くなるという川崎病に特徴的な症状もあります。このページでは川崎病になったときにどういった症状が見られるのかを説明します。

1. 川崎病の人に起こりやすい症状にはどんなものがある?

川崎病では次の6つの症状が見られやすいことが分かっています。

  • 全身の症状
    • 発熱:特に5日以上発熱が続くことが診断基準に入っている
  • 眼の症状
    • 左右両眼の結膜の充血
  • 口の中やくちびるの症状
    • いちご舌(下がいちごのように赤くなる)
    • 口の中の粘膜が赤くなる
    • 口の中から出血する
    • 口の中が乾燥する
    • 唇が赤くなる
    • 唇が腫れる
  • 皮膚の症状
    • 不定形発疹:多様な形の紅斑(赤みのある皮疹)が見られる
  • 手足の症状
    • 硬性浮腫発症して間もない時期に、手指・手掌や足趾・足底が赤く硬く腫れることがある(指先が"テカテカパンパンになる”と表現することがある)
    • 紅斑
    • 膜様落屑:川崎病の症状が落ち着いた回復期(熱が出てから2-3週間後頃)には、手足の先の赤みや腫れがとれて、皮膚の表面(角質)が剝げ落ちることが知られている
  • リンパ節の症状
    • 頸部リンパ節腫脹:多くの場合で、左右どちらかの首のリンパ節が腫れる

上に挙げた6つの症状は川崎病の診断基準に入っていて、5つ以上の症状が見られた場合には川崎病と診断されます。また、4つの症状が見られている場合でも、心臓超音波検査心臓カテーテル検査で冠動脈の拡大、もしくは冠動脈瘤が認められて、川崎病以外の病気が否定されたときには川崎病と診断されます。

2. まれに起こる症状

川崎病は「全身の」血管に炎症を起こす疾患なので、さまざまな身体部位に症状が見られることがあります。先ほど述べたもの以外にも次のような症状が見られることがあります。

【川崎病で起こりうる症状の例】

  • 脳神経の症状
    • けいれん
    • 意識障害
    • 顔面神経麻痺
    • 手足の麻痺
  • 胸の症状
    • 息切れ
    • 胸痛
    • 胸部不快感
  • お腹の症状
    • 下痢
    • 吐き気、嘔吐
    • 腹痛
  • 関節の症状
    • 関節の痛み
    • 関節の腫れ
  • 皮膚の症状
    • BCGを接種した跡の発赤
    • 小さな水ぶくれ(小疱)
    • 皮膚の黄染(黄疸

上にあげた中でもBCG接種した跡の発赤は川崎病に特徴的です。この症状が見られると川崎病の可能性が一段と高くなります(ただし、突発性発疹症などでもまれに赤くなることがあります)。ただし、川崎病の子どもはみんなBCG接種の跡が赤くなるわけではないので注意が必要です。

冠動脈が詰まることで起こる緊急性の高い心臓の症状

心臓の筋肉(心筋)に酸素を送る血管である冠動脈が詰まると酸素が不足した心筋が障害を受けて壊死します。これを「心筋梗塞」といいます。心筋梗塞では次の症状が見られます。

心筋梗塞で見られる症状の例】

  • 胸や背中が痛む
  • 胸や背中が締め付けられる
  • 冷や汗が出る
  • 吐き気が出る
  • 息苦しさが出る
  • 動悸がする
  • 意識を失う

大きな冠動脈瘤ができた後にこれらの症状が強く出たら、心筋梗塞の可能性があるので緊急事態です。心筋梗塞は自然に回復する病気ではないので、治療しないままでいたら死亡率は非常に高いです。一般的に心筋梗塞は中高年の生活習慣病のある人で問題になりますが、冠動脈瘤があることが指摘されている子どもは心筋梗塞に気をつけなければなりません。上の症状に当てはまるものを感じたら、一度医療機関を受診したほうが良いかもしれません。

手足の先の皮膚に症状が出る病気にはどんなものがある?

川崎病では手が赤くなったり、浮腫んだり、皮膚が剥げ落ちたりします。川崎病以外でも手足の先に症状が出ることがあります。以下がその例です。

【手足に症状が見られる病気の例】

川崎病による手足の先の症状なのか判断しにくいときには、皮膚以外の臓器に見られている症状も参考にしながら、総合的に診断されます。