ひんけつ
貧血(総論)
血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが不足すること。酸欠によりふらつき、疲れやすさ、動悸を起こす。原因は出血、鉄やビタミンの不足、白血病、自己免疫疾患など
16人の医師がチェック 171回の改訂 最終更新: 2019.12.27

貧血の治療について

鉄分を十分に摂れば貧血は治ると聞いたことがあるかもしれません。しかし、これは鉄欠乏性貧血が原因の時にのみ有効な治療法です。貧血には鉄不足以外にもさまざまな原因があり、治療は原因ごとに大きく異なります。また、症状の程度がひどい時は、症状を緩和するために輸血をすることがあります。

1. 貧血の治療について

貧血の原因によって治療法が異なります。例えば、鉄、ビタミンホルモンなどの不足が原因であればそれらを補充します。骨髄の病気やその他の慢性炎症を引き起こす病気が原因であれば、それらの病気の治療が貧血の治療になります。

原因 治療
鉄欠乏 鉄の補充
ビタミンなどの栄養の不足 ビタミンなどの補充
骨髄(血液が作られる場所)の病気 原因となっている病気の治療
炎症を引き起こす病気 原因となっている病気の治療
赤血球が壊されてしまう病気 原因となっている病気の治療
ホルモンの不足 ホルモンの補充
他の病気に対する治療の副作用など 原因となる治療内容に応じて対応

このページでは、貧血の中でも最も頻度の多い鉄欠乏性貧血の治療について詳しく説明します。

鉄欠乏性貧血の治療について

鉄欠乏性貧血の治療は鉄剤の内服で、基本的には入院の必要はありません。鉄剤にはフェロ・グラデュメット®フェルム®フェロミア®インクレミン®などがあります。インクレミン®は唯一のシロップ剤なので、錠剤が苦手な人は試してみてください。

内服後は定期的に血液検査を行い、ヘモグロビン、血清鉄、フェリチンの値を確認します。身体に貯蔵される鉄を十分な量にするため、数か月飲み続ける必要があります。副作用として腹部の違和感などの胃腸症状がみられることがあります。鉄剤内服開始後、胃腸症状が強くでたときは、主治医に相談してみてください。また、内服後に便が黒くなることがありますが、これは吸収されずに排出された鉄による色なので心配する必要はありません。

2. 輸血について

貧血が進行したときには、一時的に輸血を行うことがあります。具体的には息切れ、動悸などの症状が強く現れたときや、血液検査でヘモグロビンが7.0g/dL未満になった時に輸血が検討されます。

参考文献

・日本血液学会, 「血液専門医テキスト」, 南江堂, 2015