ひんけつ
貧血(総論)
血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが不足すること。酸欠によりふらつき、疲れやすさ、動悸を起こす。原因は出血、鉄やビタミンの不足、白血病、自己免疫疾患など
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最終更新: 2022.07.27
貧血の症状について:立ちくらみ、息切れ、疲れやすさ、さじ状爪(スプーンネイル)など
貧血は何らかの原因で血液の成分である「
1. 軽度の貧血やゆっくりと進行する貧血では症状がないことが多い
貧血の程度が軽い人は、日常生活で症状を自覚することは少ないです。また、貧血の進行がゆっくりの人も、身体が酸素不足の状態に慣れてしまい症状に気づかないことが多いです。そのため、自覚症状がない人でも健康診断の血液検査で貧血を指摘されることがあります。貧血の原因は出血、栄養不足などさまざまなので、症状の有無に関わらず医師に相談してください。
2. 貧血が進行した時の症状
貧血が進行すると、酸欠による症状や、全身に酸素を送り込むため心臓が頑張りすぎることによる症状などが見られます。
【酸欠による症状】
- 立ちくらみ
- 息切れ
- 疲れやすさやだるさ
- 吐き気
- 眠気
【心臓が頑張りすぎることによる症状】
動悸 - 頭痛
動いているときは身体が酸素を多く必要とするので、これらの症状を自覚しやすいです。一方で、安静にしているときは症状が良くなることが多いです。
3. 鉄欠乏性貧血に特徴的な症状
貧血のうち頻度が多いのが鉄欠乏が原因の貧血です。一般的な貧血の症状に加えて、鉄欠乏性貧血に特徴的な症状がみられます。
【鉄欠乏性貧血に特徴的な症状】
- さじ状爪:スプーンのように爪の先が反り上がる
- 舌炎や口角炎:舌や口周りがあれる
- 異食症:氷などの本来食べ物でないものを食べたくなる
- 食べ物が飲み込みにくくなる
- 抜け毛が多くなる
これらの症状は重症の鉄欠乏性貧血の人でみられることが多く、軽症の人ではあまりみられません。
4. 巨赤芽球性貧血に特徴的な症状
【巨赤芽球性貧血に特徴的な症状】
- 舌炎(舌の
炎症 ) - 味覚低下
- 食欲不振
- 下痢
- 白髪が多くなる
- 手足のしびれや歩きにくさなど(ビタミンB12欠乏で起こる症状)
これらの症状は重症の巨赤芽球性貧血の人でみられることが多いです。
参考文献
・日本血液学会, 「血液専門医テキスト」, 南江堂, 2015