2015.10.03 | ニュース

ハチに刺されて多臓器不全に、遅れて現れた反応とは

インドから32歳男性の症例報告

from International journal of emergency medicine

ハチに刺されて多臓器不全に、遅れて現れた反応とはの写真

ハチに刺されたとき、免疫が過剰に反応することで呼吸困難などが起こる、アナフィラキシーという状態が引き起こされることがあります。刺された翌日から悪化した症状により3週間の入院を必要とした人の例が、インドの研究班から報告されました。

◆農作業中のハチさされ、翌日に呼吸困難が発症

この32歳の男性は、農作業中に複数のハチに刺され、呼吸困難の症状が起こって救急を受診したところ、症状が軽くなって一度帰宅しました。

その翌日に呼吸困難と尿の量が少なくなる症状が起こり、再び救急を受診しました。胴体や腕、頭などの皮膚に黄疸と腫れがありました。

 

◆多臓器不全により3週間の入院

検査により重症の腎不全、溶血、横紋筋融解症、肝機能障害が見られ、多臓器不全の状態と診断されました。

臓器の状態悪化に対して、ステロイド薬などを使った緊急の治療が行われ、3週間の治療後に退院となりました。

ハチさされによるアナフィラキシーは以前にもハチに刺されたことがある人に起こると言われていますが、この人にはハチに刺された経験は確かめられませんでした。

 

ハチ毒によるアナフィラキシーは最悪の場合は命に関わります。症状が現れたときはすみやかに救急治療を受けること、一度発症した人は再発予防策を取ることが大切です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Multi-organ dysfunction secondary to severe wasp envenomation.

Int J Emerg Med. 2015 Mar 12

[PMID: 25852776]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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