けいしつえん(だいちょうけいしつえん)
憩室炎(大腸憩室炎)
憩室に感染や虚血が起こることで炎症が起きた状態。大腸憩室に起こることが多い
4人の医師がチェック 65回の改訂 最終更新: 2018.04.24

憩室炎(大腸憩室炎)の基礎知識

POINT 憩室炎(大腸憩室炎)とは

憩室炎は憩室に感染や虚血が起こることで炎症が起きた状態です。大腸憩室に起こることが多いです。主な症状は腹痛ですが、時に発熱・下痢・嘔吐が起こります。 症状や身体診察に加えて、CT検査や超音波検査を行って診断します。また、感染の原因となっている細菌を調べるために培養検査を行います。治療には抗菌薬(抗生物質)が用いられます。憩室炎が心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

憩室炎(大腸憩室炎)について

  • 憩室に感染や虚血が起こることで炎症が起きた状態
    • 憩室とは腸管の壁に洞穴のようなくぼみができる状態のこと
    • 上行結腸とS上結腸に起こることが多い
  • 大腸憩室を持っている人の約5%に起こると言われている

憩室炎(大腸憩室炎)の症状

  • 腹痛
    • 憩室炎が起こっている部分に限局した腹痛が起こることが多い
    • 消化管穿孔を起こし腹膜炎を起こしている場合は腹部全体の強い腹痛となる
  • 嘔吐や下痢、発熱を伴うときもあるが必ずしも起こるとは限らない

憩室炎(大腸憩室炎)の検査・診断

  • 腹部CT検査が診断に有効
  • 他の腹痛を起こす以下の様な疾患でないか調べるために腹部超音波検査や婦人科検査を行うこともある

憩室炎(大腸憩室炎)の治療法

  • 保存的治療(手術を行わない治療)が原則
    • 食事を止めて腸を安静し、抗菌薬を使用する
    • 抗菌薬を使う期間は、感染の程度によって決まる
      ・感染が一部の憩室のみで済んでいれば、7-10日間抗菌薬を使用する
      ・感染が腹膜炎まで及んでいれば、10-14日間抗菌薬を使用する
      腹膜炎によってが生じていれば、4週間抗菌薬を使用する
    • 軽症なら抗菌薬なしで治療できる場合もある
  • 保存的治療の効果が見られない場合、もしくは穿孔している場合などは手術を行う

憩室炎(大腸憩室炎)の経過と病院探しのポイント

憩室炎(大腸憩室炎)が心配な方

憩室炎は、腹部の痛みで発症します。憩室のある場所によって痛みの部位も変わってきますが、CT検査を行わないかぎり胃潰瘍や虫垂炎と区別が難しいことも多いです。

腹痛という症状だけからご自身で憩室炎かもしれないと思うような場面はあまりないかもしれませんが、もしそのような心配があれば、内科、消化器内科、消化器外科などを受診されることをお勧めします。憩室炎以外に他の明らかな原因があれば診察だけで診断がつきますのでかかりつけクリニックの受診でも良いですし、それでやはり憩室炎が疑わしいということになれば、CT検査が受けられる病院を紹介してもらうという流れになります。

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憩室炎(大腸憩室炎)でお困りの方

腸の憩室は、それがあるというだけでは治療の必要がないものです。しかし、このように憩室炎を起こしてしまうと食事を止めたり抗生物質(抗菌薬)を使用したりする必要が生じます。軽症の場合を除き、入院の上で治療が行われます。入院する診療科は病院によって様々で、消化器内科、消化器外科、大腸外科といった診療科が多いでしょう。

憩室がある方はどうしても憩室炎を一定の頻度で繰り返してしまうことがあり、度重なる入院は悩ましいものです。重症度が極めて高かったり、憩室炎を繰り返す頻度が多すぎたりする場合には手術を行って一定範囲の憩室を切除してしまうこともあります。しかし腸全体に憩室が広がっている場合には全ての腸ごと切除することはできませんし、部分的にであれば腸を切除することのデメリット(消化機能の低下や手術自体のリスク)もありますので、手術が良いとは一概に言えません。それでも手術を検討されたい場合には、かかりつけの医師に相談をして十分に説明を受けた上で、一緒に方針をお決めになることをお勧めします。

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