憩室炎(大腸憩室炎)の基礎知識
POINT 憩室炎(大腸憩室炎)とは
憩室とは腸管の壁にあるくぼみのことです。憩室炎は、憩室に感染や血流不足による炎症が起きた状態です。大腸憩室に起こることが多いです。主な症状は腹痛ですが、時に発熱・下痢・嘔吐が起こります。症状や身体診察に加えて、CT検査や超音波(エコー)検査を行って診断されます。また、感染の原因となっている菌を調べるために培養検査を行います。治療には抗菌薬(抗生物質)が用いられます。憩室炎が心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。
憩室炎(大腸憩室炎)について
- 憩室に感染や
虚血 が起こることで、炎症 が起きた状態- 憩室とは腸管の壁に洞穴のようなくぼみができる状態のこと
- 上行結腸とS上結腸に起こることが多い
- 大腸憩室を持っている人の約5%に起こると言われている
憩室炎(大腸憩室炎)の症状
憩室炎(大腸憩室炎)の検査・診断
憩室炎(大腸憩室炎)の治療法
憩室炎(大腸憩室炎)の経過と病院探しのポイント
憩室炎(大腸憩室炎)が心配な方
憩室炎は、腹部の痛みで発症します。憩室のある場所によって痛みの部位も変わってきますが、CT検査を行わないかぎり胃潰瘍や虫垂炎と区別が難しいことも多いです。
腹痛という症状だけからご自身で憩室炎かもしれないと思うような場面はあまりないかもしれませんが、もしそのような心配があれば、内科、消化器内科、消化器外科などを受診されることをお勧めします。憩室炎以外に他の明らかな原因があれば診察だけで診断がつきますのでかかりつけクリニックの受診でも良いですし、それでやはり憩室炎が疑わしいということになれば、CT検査が受けられる病院を紹介してもらうという流れになります。
憩室炎(大腸憩室炎)でお困りの方
腸の憩室は、それがあるというだけでは治療の必要がないものです。しかし、このように憩室炎を起こしてしまうと食事を止めたり抗生物質(抗菌薬)を使用したりする必要が生じます。軽症の場合を除き、入院の上で治療が行われます。入院する診療科は病院によって様々で、消化器内科、消化器外科、大腸外科といった診療科が多いでしょう。
憩室がある方はどうしても憩室炎を一定の頻度で繰り返してしまうことがあり、度重なる入院は悩ましいものです。重症度が極めて高かったり、憩室炎を繰り返す頻度が多すぎたりする場合には手術を行って一定範囲の憩室を切除してしまうこともあります。しかし腸全体に憩室が広がっている場合には全ての腸ごと切除することはできませんし、部分的にであれば腸を切除することのデメリット(消化機能の低下や手術自体のリスク)もありますので、手術が良いとは一概に言えません。それでも手術を検討されたい場合には、かかりつけの医師に相談をして十分に説明を受けた上で、一緒に方針をお決めになることをお勧めします。
憩室炎(大腸憩室炎)のタグ
憩室炎(大腸憩室炎)に関わるからだの部位
