2015.09.15 | ニュース

大腸憩室炎に腹腔鏡手術は本当にしなくてよいのか?

21件のシステマティックレビュー
from Clinical gastroenterology and hepatology : the official clinical practice journal of the American Gastroenterological Association
大腸憩室炎に腹腔鏡手術は本当にしなくてよいのか?の写真
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大腸によく起こる憩室炎は、原因となる大腸憩室などを取り除かなくても、抗菌薬などの治療に効果がある場合が多いと言われています。腹腔鏡手術を行った場合の効果について、これまでの研究結果がまとめられました。

◆合併症がない場合、QOLなどの違いを検討

研究班は、過去の研究から、腸に穴が開く(穿孔)などの合併症を伴わない憩室炎の治療として、腹腔鏡手術、または抗菌薬などによる保存的治療の効果を調べたものを集めました。効果の指標として患者の生活の質(QOL)などが報告されているものを選びました。

 

◆腹腔鏡手術でQOL、症状改善

得られたデータを統合し、次の結果が得られました。

計1,858人の患者から成る21件の研究からのデータを解析した[...]SF-36のスコアに基づいて、選択的腹腔鏡下切除術のあとの患者のQOL(73.4、95%信頼区間65.7-81.1)は保存的治療(58.1、95%信頼区間47.2-69.1)よりも高かった。腹腔鏡手術のあとでは、胃腸症状がある患者の割合(9%、95%信頼区間4%-14%)が保存的治療(36%、95%信頼区間27%-45%)よりも低いことが、すべてのコホートおよびこれらの治療を比較した1件の試験で見られた(オッズ比0.35、95%信頼区間0.16-0.7)。

見つかった21件の研究では、腹腔鏡手術のあとでは保存的治療に比べてQOLが高く、胃腸の症状がある割合が少ないという結果でした。

研究班は「システマティックレビューとメタアナリシスに基づけば、保存的治療に比べて腹腔鏡手術を受けたあとの患者はQOLがより良く、症状がより少ない」と結論しています。

 

実際に腹腔鏡手術が行われるかどうかは、入院期間などほかの面も含めて判断されますが、この結果がひとつの参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Patient-Reported Outcomes Following Conservative or Surgical Management of Recurrent and Chronic Complaints of Diverticulitis: Systematic Review and Meta-analysis.

Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Aug 21

[PMID: 26305068]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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