2016.02.26 | ニュース

下血や炎症の原因に、「大腸憩室」ができやすい人の特徴

アメリカ624人の検査結果

from Clinical gastroenterology and hepatology : the official clinical practice journal of the American Gastroenterological Association

下血や炎症の原因に、「大腸憩室」ができやすい人の特徴の写真

大腸の一部が袋状に飛び出してできる大腸憩室は、通常は症状がありませんが、出血したり憩室炎を起こすことによって、下血、腹痛などの原因になります。アメリカで、どんな人に大腸憩室が多いのか調査が行われました。

◆大腸憩室はどんな人に多いか

この研究は、アメリカのノースカロライナ大学病院で大腸内視鏡の検査を受けた624人を対象として、大腸憩室が見つかるかどうかと、年齢や性別などの特徴に関係があるかを調べました。

 

◆高齢、男性、太った人に多い

次の結果が得られました。

対象者集団の中で、260人(42%)に1個以上の憩室があった(平均14、範囲1-158)。憩室のある参加者は、憩室がない人よりも高齢、男性、高BMIであることが多かった。

憩室のある患者の割合は年齢とともに増加した。50歳以下では35%、51歳から60歳では40%、60歳より上では58%だった。

検査を受けた人のうち、42%に大腸憩室が見つかりました。同じ人に最大158個の大腸憩室がありました。大腸憩室は高齢の人、男性、BMI(体重÷身長の2乗)が大きい人に多く、60歳を超えた人では58%に大腸憩室がありました。

研究班は「大腸憩室の分布と決定因子を理解することは、憩室症とその合併症を予防するための最初のステップである」と述べています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Distribution and Characteristics of Colonic Diverticula in a United States Screening Population.

Clin Gastroenterol Hepatol. 2016 Feb 9. [Epub ahead of print]

[PMID: 26872402]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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