まんせいふくびくうえん(ちくのうしょう)
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
急性副鼻腔炎が治りきらずに慢性化したもの。一般的には蓄膿症と呼ばれることも多い
11人の医師がチェック 86回の改訂 最終更新: 2026.04.01

副鼻腔とは?

副鼻腔(ふくびくう)は、鼻の近くにある骨の空洞です。鼻の中(鼻腔)と副鼻腔は小さな通り道でつながっており、空気の出入りや分泌物の排出が行われています。慢性副鼻腔炎は、この副鼻腔に炎症が続く病気です。まずは、炎症が起こる「副鼻腔」について詳しく説明します。

私たちが一般的に「鼻の穴」と呼ぶ部分は、医学用語では鼻腔(びくう)といいます。副鼻腔は、その鼻腔の周囲にある、骨に囲まれた空間です。副鼻腔は鼻腔と小さな通り道でつながっており、空気の出入りや分泌物の排出が行われています。

図:副鼻腔の解剖イラスト。前頭洞、蝶形骨洞、篩骨洞、上顎洞の位置を示す。

副鼻腔には、左右それぞれ次の4つがあります。

  • 上顎洞(じょうがくどう)
  • 前頭洞(ぜんとうどう)
  • 篩骨洞(しこつどう)(前篩骨洞・後篩骨洞)
  • 蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)

炎症が特定の副鼻腔に限局している場合は、上顎洞炎、前頭洞炎、蝶形骨洞炎のように呼ぶこともあります。なお、篩骨洞は好酸球性副鼻腔炎で炎症の中心になりやすい部位です。

炎症が起きる場所と症状の目安

炎症の部位によって、出やすい症状が少し変わります。

  • 上顎洞炎:頬や目の周囲の痛み、歯ぐき(歯)の痛み
  • 前頭洞炎:額の痛み
  • 蝶形骨洞炎:長引く頭痛が目立つことがあります

上記が必ず一対一対応するわけではありませんが、炎症が起こってる部位の推定に役立てられています。受診時に「どこが痛いか」を具体的に伝えるとお医者さんの診断の助けになります。

目・脳に近いことによる注意点

副鼻腔は目や脳に近いため、急性の炎症が強い場合には、まれに目や脳の合併症につながることがあります。

  • 目の症状:目がぼやける、視力低下、物が二重に見える
  • 意識の変化:ぼんやりする、反応が鈍い、重症では意識がなくなる

上記のような症状がある場合は、早めの受診が必要です。

慢性副鼻腔炎とは、副鼻腔の炎症が3か月以上続いている状態です。症状が長く続くため、鼻づまりや後鼻漏、嗅覚の低下などが慢性的に続くことがあります。

炎症が特定の副鼻腔に限局している場合は、上顎洞炎、前頭洞炎、蝶形骨洞炎など、炎症の部位に応じた呼び方をします。どの副鼻腔が中心かを意識すると、症状の特徴や原因を整理しやすくなります。

上顎洞は、鼻の左右の外側(頬の奥)にある副鼻腔です。ここに炎症が起きた状態を上顎洞炎といいます。

上顎洞炎は副鼻腔炎の一種で、急性の経過では鼻づまりや鼻水に加えて、頬の痛みが強く出ることがあります。痛みが歯に響くこともあり、歯痛と区別しにくい場合があります。

上顎洞炎の一部は歯が原因で起こり、歯性上顎洞炎と呼ばれます。歯性上顎洞炎は治療の考え方が異なるため、見分けることが重要です。特徴の一つとして、片側の上顎洞に症状が偏ることがあります。片側の頬の痛みや片側の鼻症状が続く場合は、原因として歯の関与も考えて評価します。