れむすいみんこうどうしょうがい
レム睡眠行動障害
レム睡眠という睡眠の状態にある間に夢の中のような行動をとってしまうこと
9人の医師がチェック 28回の改訂 最終更新: 2022.02.28

レム睡眠行動障害の基礎知識

POINT レム睡眠行動障害とは

レム睡眠時に異常な行動をとる病気です。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2つがあります。レム睡眠は脳は覚醒状態で体が眠っている状態です。一方、ノンレム睡眠は脳が寝ていて体が起きているのに近い状態です。人間の睡眠ではレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。レム睡眠では体は筋肉が緩んでいるので、ほとんど動きません。しかし、レム睡眠行動異常症では体に力が入ってしまい、異常な行動をとってしまいます。手足を振り回すこともあれば、寝言を発したり、暴力的な行動に出ることもあります。睡眠時の様子を観察するために、睡眠ポリグラフ検査などが行われます。治療には睡眠環境を整えることや必要に応じて睡眠薬が使われます。レム睡眠行動異常症が心配な人は睡眠科や内科を受診してください。

レム睡眠行動障害について

  • レム睡眠という睡眠の状態に身体が動いてしまう状態
    • 普通は、レム睡眠中は筋肉がゆるんでいるので、夢を見ていても実際に行動を起こすことは少ない
    • レム睡眠行動障害では、筋肉に力が入り体を動かしてしまう
  • ベッドパートナーが異常に気づいて分かることが多い
  • 多くの場合は原因不明
  • パーキンソン病レビー小体型認知症に先立って発症することがある
  • 中年以降の男性に多い
  • レム睡眠行動障害の原因は不明だが、関連の強い要素が見つかっている

レム睡眠行動障害の症状

  • 睡眠中の異常行動
    • 夢の中のような行動を取る
    • 行動の例
      • 手足を振り回す
      • 寝言
      • ベッドパートナーに暴力的行為を行う
  • 異常な行動をしているときに起こすと、その行動の内容と一致した夢を見ていたことをはっきり思い出せる
  • 悪夢を繰り返し見ていると感じる

レム睡眠行動障害の検査・診断

  • 終夜睡眠ポリグラフ検査
    • 睡眠中の脳波や筋肉の緊張の程度を調べる
  • 頭部MRI検査
    • 脳梗塞多発性硬化症など脳幹部の病変が原因となっていることもあるので、必要であれば確認する
  • 脳波検査
    • てんかん鑑別が必要なことがあるので、脳波検査を行うこともある
    • 必要であれば入院して長時間の脳波検査を行うこともある
  • その他、合併する可能性があるパーキンソン病レビー小体型認知症などについて検査を行うこともある

レム睡眠行動障害の治療法

  • 睡眠環境を整えることで対応し、必要に応じて睡眠薬等を使用する
    • 本人やベッドパートナーが怪我をしない環境を整える
    • 睡眠を浅くするような要因(飲酒、薬剤、カフェインなど)を避ける
    • 原因がはっきりしない場合はクロナゼパムの使用が検討されることもある
  • 周囲の理解と協力が重要

レム睡眠行動障害が含まれる病気

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