やくぶつあれるぎー
薬物アレルギー
薬剤を使用したことが原因でアレルギーが起こった状態。薬疹やアナフィラキシーショックなどが含まれる
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最終更新: 2021.03.25
薬物アレルギーの基礎知識
POINT 薬物アレルギーとは
薬に対するアレルギーの総称。どの薬剤でもアレルギーを起こす可能性があり、出現しうる症状は発疹、肺障害、肝障害、腎障害、血球減少などさまざまである。一部アナフィラキシーという命に関わるタイプに移行する。アレルギーが起こった薬剤はその後使用しないことが望ましい。治療としてはステロイド内服薬、外用薬などを用いる。薬剤アレルギーが起こったときは、処方した医師に相談するか、総合内科・小児科を受診してください。
薬物アレルギーについて
- 薬剤を使用したことで
アレルギー が起こった状態 - アレルギー反応が関与していると考えられる症状(アレルギー性薬物反応)はおよそ3.6-7%の人々に認められると言われている
- 通常では毒性を示さない量の薬物使用量で異常反応が生じたときに、薬物アレルギーを疑う
- 初めて使用した薬物では、使用してからアレルギーが出るまでに1-2週間(ときに1か月以上)経過していることが多い
- 使用経験のある薬物なら、使用後1-2日以内に
発症 することもある
- 薬物アレルギーの例
- 皮膚症状(薬疹)
- 呼吸器、肺の症状
- そのほか、腎障害、肝障害(薬物性肝障害)、血液(好酸球増多や
白血球 減少)などさまざまな臓器に異常を起こす - 重症例ではアナフィラキシーショックが起こって命にかかわることがある
薬物アレルギーに関連する治療薬
副腎皮質ホルモン(ステロイド内服薬・注射剤)
- 抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、血液疾患などに効果をあらわす薬
- 副腎皮質ホルモンの一つのコルチゾールは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
- 本剤はコルチゾールを元に造られたステロイド薬
- 本剤は薬剤のもつ作用持続時間によって、(作用の短い順に)短時間作用型、中間型、長時間作用型に分けられる
- 本剤は多くの有益の作用をもつ反面、副作用などに注意が必要となる
- 副作用の軽減目的のため、抗菌薬や胃薬などを併用する場合もある
副腎皮質ホルモン(ステロイド外用塗布剤・噴霧薬など)
- 抗炎症作用や免疫抑制作用などにより、皮膚炎などにおける湿疹、痒み、赤みなどを和らげる薬
- アレルギー性の皮膚症状は何らかの原因によりアレルギー反応がおこり湿疹や痒みなどがあらわれる
- 副腎皮質ホルモンは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
- 本剤は副腎皮質ホルモンを元に造られたステロイド外用薬
- 乾癬などの免疫異常による皮膚症状の治療に使用される場合もある
- 本剤は作用の強さによって大きく5段階に分類される
- 作用の弱い順に、V群(ウィーク)、IV群(マイルド)、III群(ストロング)、II群(ベリーストロング)、I群(ストロンゲスト)に分けられる
- 本剤の剤形には、軟膏剤、クリーム剤、液剤などがあり薬剤によっては用途などに合わせた選択が可能な場合もある