薬物アレルギーの原因で多かった薬とは?
多くの薬物には、重症のアナフィラキシーを含め、過敏反応を起こす可能性があります。アルゼンチンなどラテンアメリカ地域の統計から、原因と見られた薬剤には非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と抗菌薬が多かったことが報告されました。
◆11か国のデータベースから
研究班は、ラテンアメリカ11か国にわたるデータベースを参照して、薬剤過敏反応の症例数を集計しました。
◆NSAIDsと抗菌薬が最多
次の結果が得られました。
研究期間に薬剤過敏性反応の可能性があると見られた患者は1,005人で、そのうち薬剤誘発性アナフィラキシーの診断基準を満たしたのは264人(26.3%)だった。
最も多く関与した薬剤分類は
NSAIDs (178人、57.8%)、βラクタム系抗菌薬 (44人、14.3%)、その他の抗菌薬(16人、5.2%)だった。
薬剤過敏反応の可能性があると見られる1,005人についての情報が得られ、そのうち26%は薬剤によるアナフィラキシーと見られました。原因と見られた薬物で、最も多かったのはNSAIDs、βラクタム系抗菌薬、その他の抗菌薬でした。
研究班は「薬剤誘発性アナフィラキシーの管理を改善するために、アナフィラキシーの
NSAIDs、βラクタム系抗菌薬はともに、非常に多くの場面で必要とされ、処方されます。アナフィラキシーはまれなリスクですが、以前に薬物アレルギーがあった場合には医師に伝えておくなどの注意も、薬を使ううえでは大事なことです。
執筆者
Drug-Induced Anaphylaxis in Latin American Countries.
J Allergy Clin Immunol Pract. 2015 Jul 1 [Epub ahead of print]
[PMID: 26143020]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。