こうとうしんけいつう
後頭神経痛
頭皮や筋肉にある神経(大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経)が原因となる、後頭部の痛み
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最終更新: 2023.01.04
後頭神経痛の基礎知識
POINT 後頭神経痛とは
頭皮や筋肉にある神経が原因で、後頭部を中心に頭痛が起こることです。後頭部の頭皮にピリピリ、チクチクするような痛みが現れます。痛みを感じる長さには個人差があり、頭を押さえると痛みを感じることもあります。後頭神経痛の原因は血管の問題やけが、頭・肩の手術などさまざまです。後頭神経痛の診断を行う場合、他の病気が隠れていないかを調べることが重要です。具体的には、画像検査(頭部CT検査や頭部MRI検査)や血液検査などが行われます。 神経の周りに注射をするブロック注射や鎮痛剤によって痛みが和らげられます。後頭神経痛が心配な人は神経内科や一般内科、脳神経外科などを受診してください。
後頭神経痛について
後頭神経痛の症状
後頭神経痛の検査・診断
- 重要なことは、他の病気ではないことを確認すること
- 帯状疱疹でないか調べるため、頭皮をよく観察する
- その他の
感染症 の検査も行う - 首や頭の画像検査で、脳腫瘍(後頭蓋下
腫瘍 )、くも膜下出血、椎骨 動脈解離などによる痛みと区別するレントゲン (X線 写真)CT 検査MRI 検査 など
- 国際頭痛分類第3版β版により診断基準が提示されている
- 診断基準A:片側または両側の痛みで基準BからEをすべて満たす
- 診断基準B:痛みの範囲は大後頭神経、小後頭神経、第3後頭神経のどれかひとつ以上の支配域と一致する
- 診断基準C:痛みの特徴が以下3点のうち2点以上を満たす
- 数秒から数分続く痛みの
発作 を繰り返す - 激痛
- ズキンとする痛み、刺すような痛み、鋭い痛み
- 数秒から数分続く痛みの
- 診断基準D:痛みは以下の両方に当てはまる
- 頭皮または頭髪を刺激すると異常感覚やアロディニアが出現する
- 障害された神経枝の圧痛があるか、トリガーポイント(大後頭神経の出口部またはC2領域)がある
- 診断基準E:痛みは局所麻酔薬によるブロックで一時的に改善する
- 診断基準F:他に最適な診断がない
後頭神経痛の治療法
- 病院の神経内科やペインクリニックが専門にしている
- 神経痛自体は数日から1週間程度で消える場合が多い
- 神経痛に対する治療として薬を使う
ビタミン B12:神経の修復を促す- 商品名メチコバールなど
- 市販薬ではアリナミンEXプラスなどに含まれている
- 副作用はまれ
NSAIDs :一般的な鎮痛薬(痛み止め)- 商品名ロキソニン、バファリンなど
- 市販薬ではロキソニンS、バファリンAなど
- 主な副作用に胃痛・胸やけなど
- アセトアミノフェン:一般的な鎮痛薬
- 商品名カロナール、コカールなど
- 市販薬ではセデス、ノーシンなどに含まれている
- 主な副作用は
肝機能障害 (倦怠感 など)
- プレガバリン:神経痛に効く鎮痛薬
- 商品名リリカ
- 主な副作用に眠気・めまいなど
- 三環系抗うつ薬:頭痛にも効果がある
- アミトリプチリン(商品名トリプタノールなど)など
- 主な副作用に眠気、めまいなど
- カルバマゼピン:抗てんかん薬だが神経痛にも効果があり使われることがある
- 商品名テグレトールなど
- 主な副作用に眠気、ふらつきなど
神経ブロック - 局所麻酔薬を神経のまわりに注射する
- その他の治療法も研究されつつある
ステロイド薬 :炎症 や痛みを抑える- ボツリヌス毒素の注射
- 鍼治療
- ラジオ波治療
- 冷凍アブレーション
- 皮膚から神経を刺激する治療
- 神経を刺激する装置を埋め込み痛みを抑える治療
- 痛みが出たり悪化することがあるため、ツボを押す治し方は勧められない