2015.10.06 | ニュース

後頭神経痛を治療、冷凍アブレーションで痛みを軽減

38人の治療例
from Pain physician
後頭神経痛を治療、冷凍アブレーションで痛みを軽減の写真
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後頭神経痛は鎮痛薬などで治療されますが、効果が得にくい場合もあります。冷凍アブレーションという方法で、神経が痛みを伝える信号をブロックすることで痛みを和らげる治療の研究が行われました。

◆局所麻酔薬で短期的効果があった人を治療

この研究は、後頭神経痛の治療として冷凍アブレーションによる治療を受けた人の診療記録からデータを集計することで行われました。

後頭神経痛があり、以前に局所麻酔薬による治療である程度以上に痛みが抑えられ、その後2週間以内に効果が見られなくなった人を対象として、冷凍アブレーションのあとの痛みの軽減効果、またその持続期間が調べられました。

 

◆6か月後にも痛みが軽減

38人の経過から、次の結果が得られました。

冷凍アブレーション前の痛みスコアは8(0-10のVAS)であり、これは冷凍アブレーションのあと6か月時点で4.2まで、3.8だけの改善を示した(P=0.03)。38人の患者の中で、3件(7.8%)の有害事象があった。2人の患者は手技後の神経炎を報告し、1人は手技関連血腫のモニターを受けた。

患者の自己評価による痛みの強さが、冷凍アブレーションのあと6か月の時点でも軽くなっていました。神経炎など、治療によると見られる問題が3件報告されました。

研究班は「冷凍アブレーションは安全であり、後頭神経痛の患者には考慮されるべきである」と結論しています。

 

この研究は治療の違いによる比較を行っていないため、効果の程度を評価するには限界がありますが、もし冷凍アブレーションで局所麻酔薬を使わずに長期間の効果が期待できるなら、治療の幅が広がるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Cryoablation for the treatment of occipital neuralgia.

Pain Physician. 2015 May-Jun

[PMID: 26000683]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。