線維筋痛症に鍼治療は有効か?
線維筋痛症では、全身に原因不明の痛みやこわばりが生じます。その痛みは、かなり強く、日常生活にも支障が生じます。その治療に鍼治療は有効でしょうか。スペインで、線維筋痛症患者を対象に薬物と鍼を組み合わせた治療の有効性が調べられました。
◆164人を対象とした臨床試験
スペインの施設で試験が行われました。17歳以上で線維筋痛症と診断された参加者164人が登録され、そのうち153人が最後まで試験を完了しました。参加者は、鍼治療グループと、偽の治療グループに分けられました。通常の薬物治療に加えて、それぞれの治療を週1回行いました。
◆鍼治療の方が痛みを軽減
次のように、10週間痛みが軽くなっている割合が、鍼治療グループの方が偽の治療グループより多いという結果が出ました。
Intention-to-treat分析では、10週間時での
疼痛 強度の軽減は、偽治療群(-27.1%、95%信頼区間-33.2%~-20.9%)より個別化鍼治療群(-41.0%、95%信頼区間-47.2%~-34.8%)が大きかった。
薬物治療と鍼治療の組み合わせは、痛みを軽減しました。研究班は、「したがって、線維筋痛症患者への個別化した鍼治療の使用は推奨される」としています。
痛みは日常生活のあらゆる場面で障害となります。鍼治療で痛みが緩和できるなら、治療に組み合わせてみることを考慮してもいいかもしれません。
執筆者
Acupuncture for fibromyalgia in primary care: a randomised controlled trial.
Acupunct Med. 2016 Feb 15. [Epub ahead of print]
[PMID: 26879181]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。