手足口病の症状:発疹の特徴、似ている病気など
手足口病の
目次
1. 手足口病の初期症状は?
手足口病には「これが初期症状」と言えるものはなく、水ぶくれが出てはじめて気付くことが多いです。自然に治る病気で症状が重くなることも少ないので、病気に気付くのが遅くなったからといって困ることはあまりありません。
2. 手足口病の症状は発疹
手足口病の症状は水ぶくれが代表的です。手足や口の中、唇に
手足口病の発疹の見た目の特徴
手足口病の水ぶくれは数mm程度であることがほとんどです。水ぶくれの周りに皮膚の赤い変化を伴うという特徴があります。水ぶくれや赤みなどの皮膚の症状をまとめて
口の中の症状
手足口病による口の中の水ぶくれは、5個から10個程度であることがほとんどです。水ぶくれは
唇の裏側からのどに近い部分までの広い範囲にできます。
手のひら・足の裏の症状
手足口病で水ぶくれが出やすいのは、手のひらと足の裏です。手と足を比べると手のほうが水ぶくれが出やすいという報告もあります。水ぶくれは特に治療を行わなくてもほとんどが自然に治ります。治っていく中で、爪が剥がれることがあります。
3. 手足口病で発疹以外の症状はある?
手足口病では発熱は3分の1くらいの人に出現し、たいていの場合は高熱になることはありません。数日から1週間ほどで自然と治っていくのがほとんどです。
まれに、手足口病で下痢になることもありますが、下痢が出てきた場合は、他の病気ではないかも考える必要があります。
さらにごくまれなことですが、手足口病で激しい頭痛、意識がぼーっとするなどの症状が出たときは緊急事態を疑って、すぐに病院に行ってください。
4. 手のひらに発疹の出る感染症は手足口病以外になにがあるの?
手のひらに症状の出る
- 手足口病:手のひら、足の裏、口の中を中心に水疱(水ぶくれ)が出る。
- 川崎病:唇や口の中、舌が赤くなり、手足が腫れる。指の先に赤い皮疹が出る。
- HIV感染症:お腹や胸を中心に赤い皮疹が出る。
- 梅毒:手のひらや足の裏を含む全身に赤い皮疹が出る。
- 感染性心内膜炎:指や口の中に赤い皮疹が出る。
- 日本紅斑熱:マダニに噛まれたことが原因で、手足を中心に全身に赤い皮疹が出る。
また、頻度は下がりますが次の病気でも手のひらに皮疹が出現することがあります。
- 麻疹(ましん、はしか):お腹や胸を中心に赤い皮疹が出る。段々と手足に皮疹が広がり、手のひらにも皮疹が出ることがある。
- 鼠咬症(そこうしょう、ラットバイトフィーバー):ネズミに噛まれたことが原因で、発熱や
リンパ節 の腫脹 、皮疹が出る。
手のひらに発疹が出る病気の見分け方
手のひらに発疹が出たら、考えられる病気のリストを思い浮かべて、どの病気の可能性が高いかをチェックします。
HIV感染症と梅毒は主に性感染症として伝わる病気です。妊娠・出産などの過程で子どもに感染することもありえますが、母親が感染していなければその心配はありません。
感染性心内膜炎は高齢者に多い病気です。しかも多くは心臓の弁に異常があったり、人工弁が入っている人に起こり、心臓の異常を指摘されたことのない子どもではさらに可能性が低いと言えます。
したがって、健康に育ってきた子どもの手に皮疹が出たとき、まず考えるのは手足口病、川崎病ということになります。
手のひらのほかに足の裏や口の中にも水ぶくれが出てくるのは、まず第一に手足口病です。病院に行くと、お医者さんが川崎病やはしかという名前を口にするかもしれません。それには上のような考えが働いています。
発疹を見て「手足口病かな?」と思ったら病院へ
手足口病の発疹は、一見すると水ぶくれが目立って、見た目にドキッとすることもあると思います。しかし、自然に治る症状の軽い病気ですので、あまり考えすぎずに、まずは小児科、皮膚科、内科のある病院・クリニックにかかってみてください。
5. 手足口病のこんな症状は急いで病院へ
手足口病はごくまれに重症になります。髄膜炎(ずいまくえん)、小脳
この場合の症状は、ひどい頭痛が出たり、意識がぼーっとしたり、息苦しくなったりするというものです。
また、特に子どもでは口の中が痛いことで飲食ができず脱水になることがあります。1日以上飲食ができないような状態になった場合も要注意です。皮膚や口の中が乾燥していたり、ぐったりしていたら脱水かもしれません。
上に挙げたような状態が疑われる時は、医療機関に必ずかかってください。