夏場に流行するウイルス性疾患①〔小児科に行く前に〕

ヘルパンギーナは口内炎や突然高熱がでる喉の風邪。手足口病は手・足・口やおしり、ひざなどに水泡様発疹が出現します。口内炎などの特徴的な症状がなくても夏の熱はほとんどがエンテロウイルスによる風邪。特効薬がないため、対症療法が基本。登校・登園は熱が下がり、食事が十分とれるようになれば可能です。重症の合併症をおこすこともあり、強い頭痛や嘔吐、意識障害、顔色不良、胸痛を伴うときは救急受診が必要になります。
最近流行している「手足口病」「ヘルパンギーナ」といった夏風邪について解説したいと思います。
◆ヘルパンギーナ・手足口病とは?
ヘルパンギーナは、熱と口の粘膜にあらわれる小さな水ぶくれを伴う
手足口病は同じエンテロウイルス属の
また、ヘルパンギーナや手足口病のような特徴的な
エンテロウイルスとは、ピコルナウイルス科の多数のウイルスの総称です。ポリオウイルス、A群コクサッキーウイルス(CA)、B群コクサッキーウイルス(CB)、
◆感染経路
くしゃみや唾液を通じて感染する飛沫・
◆症状
感染後、2~4 日の
ヘルパンギーナは発熱に続いて喉の粘膜の
手足口病は手のひら、指の間、足の裏、口の中、膝、おしりなどに
ヘルパンギーナ、手足口病および夏風邪といわれるエンテロウイルス感染症は稀ですが、髄膜炎(強い頭痛、嘔吐)、脳炎(
◆治療
ウイルスによる疾患ですので、特効薬はありません。症状に合わせて、痛みどめや抗
喉の痛みなどから水分摂取が低下し、脱水を引き起こさない様にこまめに水分を摂取したり、症状を和らげる解熱剤などを使用しながら、子供の
発疹に関しても、特に使用すべき塗布薬はありません。ただかきむしってしまいそこから
◆登校・登園
症状から回復した後も、ウイルスは長期にわたって便から排泄されることがあるので、急性期のみの登校登園停止による、学校・幼稚園・保育園などでの厳密な流行阻止効果は期待ができません。本症の大部分は軽症疾患であり、登校登園については流行阻止の目的というよりも、患者本人の状態によって判断すべきであると考えられています。
◆保護者の方へのひとこと
手足口病やヘルパンギーナもウイルスが引き起こす風邪の一種です。風邪の中でも、皮膚の発疹や喉の症状が特徴的なため、特殊な名前が付けられています。手足口病、ヘルパンギーナと診断を受けても、慌てずに、しっかりとウイルス感染に対する
【編集部注】
この記事は、「キャップスクリニック」のサイトで公開中の記事をもとに作成しています。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。