にほんこうはんねつ
日本紅斑熱
マダニに刺されることで感染する疾患で、発熱や頭痛などの症状が出現する。ダニの中でもリケッチアジャポニカという病原体をもったものが原因となる
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最終更新: 2022.03.30
日本紅斑熱の基礎知識
POINT 日本紅斑熱とは
日本紅斑熱はマダニを媒介とした感染症です。毎年100人以上が感染していると考えられています。主な症状は、発熱・倦怠感(だるさ)・悪寒・発疹などです。ダニの刺し口を見つけることで診断に近づきます。似た病気にライム病があるので、専門的な診察を受ける必要があります。 診断は、症状と身体の所見から総合的につけることになります。治療は抗菌薬(主にテトラサイクリン系抗菌薬)を用いて行います。日本紅斑熱が心配な人や治療したい人は、感染症内科・皮膚科を受診して下さい。
日本紅斑熱について
日本紅斑熱の症状
- 主な
症状 - だるさ
- 頭痛
- 悪寒
- 発熱(38℃以上)
発疹 (手足から出現することが多い)
- 症状の説明
- ダニに刺されて2-8日経ってから症状が現れる
- 発疹、発熱、刺し口が特徴的な症状
日本紅斑熱の検査・診断
日本紅斑熱の治療法
抗菌薬 が主な治療- テトラサイクリン系抗菌薬
- ニューキノロン系抗菌薬(重症例の場合)
- 予防、再発予防方法
- 草むらに入る際は長袖・長ズボン・長靴・手袋などを着用する
- 防虫スプレーを使用する
- 帰宅後はすぐ脱衣して入浴し、新しい服に着替える
日本紅斑熱の経過と病院探しのポイント
日本紅斑熱が心配な方
日本紅斑熱では、だるさや熱、皮膚のぶつぶつといった症状が出ます。マダニに刺されたあと数日から10日間程度の潜伏期間を経て発症する感染症です。
あまり特徴的で珍しい症状が出るというわけではありませんので、初期の段階でそれが日本紅斑熱だと症状のみから判断するのは困難です。診断に至るには熱などの症状に加えて、ダニのいる山林に入った後であることや、ダニの刺し口が見つかることがきっかけになったりします。このようなことからご自身が日本紅斑熱ではないかと心当たりがあり、診察を希望する場合には、可能であれば感染症科(感染症内科)のある病院の受診をお勧めします。一般的な内科のクリニックでも初期対応は可能ですが、日本紅斑熱の検査や治療に慣れているのは感染症科の医師です。
日本紅斑熱でお困りの方
日本紅斑熱は、診断が難しい病気ですが、逆に言えば診断がついたあとは抗生物質で治療を行います。診断がついてしまえば、その後にどこでどのような治療を受けるか迷う余地はあまりありません。
日本紅斑熱は西日本を中心に患者が発生しています。山や森に入る際には長袖長ズボンを着用し、ダニに限らず虫刺されや怪我の予防をぜひ心がけてください。