しんけいこうしゅ(ぐりおーま)
神経膠腫(グリオーマ)
脳にある細胞から発生する脳腫瘍の一つ。脳腫瘍の中では、転移性脳腫瘍についで2番目に多く、悪性度も様々。
10人の医師がチェック 104回の改訂 最終更新: 2017.06.15

神経膠腫(グリオーマ)の基礎知識

神経膠腫(グリオーマ)について

  • 代表的な悪性脳腫瘍の一つ
  • 脳は主に、情報の伝達に関わる神経細胞(繊維)とその神経細胞を支える神経膠細胞(グリア細胞)の2種類の細胞でできている
    • 神経膠腫は神経膠細胞(グリア細胞)からできた腫瘍
    • 神経膠腫の中にもさまざまな細胞があり、腫瘍がどの細胞からできたかによって、さらに細かく分類される
  • 分類されたタイプによって治療法が異なる
  • 神経膠腫悪性度によって、グレード1からグレード4までに分類する
    • グレード1が悪性度が最も低く、グレード4は悪性度が最も高い

神経膠腫(グリオーマ)の症状

  • 腫瘍が大きくなることによって起こる症状(頭蓋内圧亢進症状)
    • 頭痛
    • 吐き気
    • 意識がもうろうとする(意識障害
    • 目がかすむ  など
  • 腫瘍ができた部分にある脳の機能が障害されることによって起こる症状
    • 手足の動かしづらさ
    • 喋りにくさ
    • 言われたことが理解できない
    • 視力の低下や視野が狭くなること
  • 脳腫瘍が原因で、けいれん発作が起こることもある
  • 無症状だが、人間ドックや、けがなどでCT/MRIを撮って、神経膠腫が見つかることもある

神経膠腫(グリオーマ)の検査・診断

  • 画像検査:腫瘍の大きさ、位置などを調べる
    • 頭部CT検査
    • 頭部MRI検査
      ・腫瘍の周りの脳の機能や、腫瘍の成分を調べたりもできる
    • PET検査
    • SPECT検査
    • 画像検査は、造影剤を投与して検査することもある
  • 頭部血管造影検査:必要に応じて手術の前におこなわれることが多い
  • 組織検査
    • 手術でとった腫瘍の一部を、組織の種類や悪性度について、顕微鏡などを用いて調べる
    • 切除した腫瘍を顕微鏡でよく観察し、「腫瘍の種類」と「悪性度(グレード)」を決定する
  • 腫瘍の遺伝子検査
    • 腫瘍にある遺伝子の異常を見つけることで、神経膠腫の種類の分類や治療方法の選択に役立つことがあります
  • 血液検査やCT、PETを用いて、体の他の部分に腫瘍がないかを調べることもある

神経膠腫(グリオーマ)の治療法

  • 基本的な治療方針
    • できる限り手術をする
    • なるべく腫瘍を残さないように、しかし正常な脳を傷つけてしまわないように切除する
  • 手術で腫瘍を大きく取ると、正常な脳機能へのダメージも増える
    • 手術時の合併症を防ぐ(脳機能を守る)ことが重要
    • なるべく正常な脳機能を傷つけないように、「覚醒下手術」、「術中MRI」などを行うこともある
      ・覚醒下手術:通常全身麻酔をしながら手術を行うため、患者は手術中意識がない状態である。覚醒下手術では、手術中に麻酔を覚まして、患者が起きた状態で手術を続ける。喋り続けてもらったり、手足を動かし続けてもらったりすることで、正常な脳を傷つけずにギリギリまで腫瘍を取りきることができる
      ・術中MRI:脳腫瘍と正常な脳の境目は、見た目ではなかなか分かりにくいため、手術中にMRIを撮影することで、腫瘍の取り残しがあるかが分かる。術中MRIを組み合わせることで、腫瘍の全摘出に近づける
  • グレードごとの大まかな治療方針
    • グレード1:そのまま様子をみるか、症状があったり大きくなったりするようであれば手術で全摘出。手術で全て取りきれば、治ることが多い
    • グレード2:手術で全て取りきれば、治ることが多い。腫瘍が残った場合は、放射線療法化学療法を行うことがある
    • グレード3、4:手術の後、放射線療法と化学療法
    • ただし神経膠腫の治療は、年々進化しており、施設や医師によって細かい治療方針も異なる
  • 5年生存率
    • グレード1:90%〜100%
    • グレード2:50%〜70%
    • グレード3:20%〜40%
    • グレード4:10%以下

神経膠腫(グリオーマ)に関連する治療薬

アルキル化剤

  • 細胞増殖に必要なDNAに作用しDNA複製阻害作用やDNAの破壊作用により抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し転移することで細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要となる
    • 本剤は薬剤中のアルキル基というものがDNAに結合することで抗腫瘍効果をあらわす

アルキル化剤についてもっと詳しく

分子標的薬(ベバシズマブ〔抗VEGFヒト化モノクローナル抗体〕)

  • がん細胞の増殖に必要なVEGFという物質の働きを阻害し血管新生を抑えることで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • がん細胞の増殖には、がんに栄養を送る血管の新生が必要となり血管内皮増殖因子(VEGF)という物質が血管内皮の増殖や血管新生に関与する
    • 本剤はVEGFに結合しVEGFの働きを阻害することで腫瘍組織の血管新生を抑制する作用をあらわす

  • 本剤は他の抗がん薬の効果を高める作用もあらわす
  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(ベバシズマブ〔抗VEGFヒト化モノクローナル抗体〕)についてもっと詳しく


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