ぜんりつせんがん
前立腺がん
前立腺にできたがん。年齢を重ねるとともに発見されることが多くなる。高齢化が進む日本では患者数が急増している。
12人の医師がチェック 415回の改訂 最終更新: 2026.02.25

前立腺がんの治療の選び方:手術・放射線療法・薬物療法の選び方と再発や転移、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療

前立腺がんの主な治療法は手術・放射線治療・薬物療法(ホルモン療法・抗がん剤治療)などです。また、前立腺がんが見つかってもすぐには治療を行わずに、様子を見るPSA監視療法もあります。多様な治療法の中から自分に適したものを見つけるポイントについて説明していきます。

1. 前立腺がんの治療法はどうやって選ぶ?

前立腺がんの治療には次の方法があります。

【前立腺がんの治療方法】

  • PSA監視療法
  • 手術
  • 放射線治療
    • 外照射
    • 内照射(組織内照射)
  • 薬物治療
    • ホルモン療法
    • 抗がん剤治療

これらの治療法の効果や役割は同じではありません。がんの進行度や悪性度を踏まえた上で、最適なものが選ばれます。

前立腺がんは進行度から、「限局がん」「局所進行がん」「転移がん」の3つに分けられます。進行度はいわゆるステージと似たものです。また、再発のしやすさの目安として、リスク分類が用いられます。進行度とリスク分類から治療法が選ばれます。

【進行度・リスク分類をもとにした治療法の選び方】

進行度・リスク分類をもとにした前立腺がんの治療法の選び方

限局がん

前立腺にがんが留まった状態を限局がんと言います。限局がんは次の3つの項目を基準にして、「低リスク」「中間リスク」「高リスク」の3つに分類されます。

【リスク分類に使われる項目】

  • 前立腺でのがんの広がり
  • 診断時のPSA値
  • グリソンスコア

リスク分類によって、適した治療が異なります。次にリスク分類について詳しく説明していきます。

■低リスク
低リスクの前立腺がんは、悪性度が低く、広がりも小さいので、手術や放射線治療で治る可能性が高いです。また、低リスクの前立腺がんは進行が緩やかで、周りに影響を及ぼすまでにも時間があるので、治療しなくても命に影響を与えないこともあります。このため、低リスクの中でも特に危険性が低いと考えられる人は、がんが進行するのを待って治療を開始する方法(PSA監視療法)を選択することができます。

■中間リスク
中間リスクの前立腺がんは、低リスクよりも再発の可能性が高いと考えられるグループです。ただし高リスクほどではなく、手術や放射線治療で十分に治る可能性があります。
PSA監視療法が選べるかどうかは症例によって異なり、一般には低リスクほど適していませんが、条件によっては慎重に検討されることもあります。

■高リスク
高リスクの前立腺がんは、がんの広がりが大きい、または悪性度が高いなどの理由で、再発の可能性が高いと考えられるグループです。悪性度が高い場合、がんが進むスピードが速いことがあります。

そのため、治療では局所治療(手術や放射線治療)に加えて、再発率を下げる目的で薬物治療(ホルモン療法)を組み合わせるなど、集学的治療が検討されます。放射線治療では、前立腺の周囲も含めて治療できる利点があり、放射線治療にホルモン療法を前後に組み合わせることが一般的です。手術も選択肢になりますが、病状によっては術後に追加治療が必要になることもあります。

局所進行がん

局所進行がんは、がんが前立腺の外へ広がっている状態です。前立腺の被膜の外に及んでいたり、前立腺に隣り合う精嚢に広がっていたりする場合があります。

局所進行がんでは、再発を抑えるために治療が集学的になりやすく、放射線治療にホルモン療法を組み合わせた治療が選ばれることがあります。手術も選択肢になり得ますが、病状によっては術後に追加治療(放射線治療やホルモン療法)が必要になることもあります。

転移がん

転移がんは、前立腺がんの細胞がリンパ節や他の臓器(骨、肺、肝臓など)に転移している状態です。転移がある場合、前立腺の周囲だけを治療する手術や放射線治療だけでは十分な効果が得られにくく、全身を対象とした治療が中心になります。

そのため、治療の基本は薬物療法(ホルモン療法、抗がん剤治療など)です。状況によっては、症状を和らげたり病状を抑えたりする目的で、放射線治療などの局所治療を組み合わせることもあります。

次にそれぞれの治療の概要について説明していきます。

2. PSA監視療法について

PSA監視療法とは、前立腺がんと診断されてもすぐに治療を始めず、治療を行うべきタイミングまで慎重に経過観察を行う方法です。具体的には、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの測定や、必要に応じてMRI検査前立腺生検などを定期的に行い、根治的治療(手術や放射線治療)を始める適切な時期を見極めます。

■どんな人が監視療法に向いているのか
全ての人に監視療法ができるわけではありません。「転移がない人」でかつ「進行が緩やかである可能性が高い人」だけが監視療法を選択できます。

詳しい条件は次のとおりです。

【PSA監視療法が可能な人の条件】

  • PSAが10ng/ml以下
  • MRIでがんが指摘できないまたは確実に前立腺内に留まっている
  • グリソンスコアが6以下
  • 前立腺生検でがんが検出されたのが2箇所以下
  • PSA[ng/ml]÷前立腺の体積[cm3]が0.2以下

PSAの検査値は、血液中のPSAの濃度です。 
グリソンスコアは前立腺生検によってわかるもので、がんの悪性度と強く相関があります。
PSAやグリソンスコアについては「前立腺がんの検査」で説明しています。

■監視療法中はどう過ごすのか
監視療法中は、3ヶ月から6ヶ月毎に直腸診と前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの測定が行われます。直腸診やPSA値は、がんが進行していないかを確認する目安になります。

また、必要に応じてMRI検査を行い、1年から3年ごとに前立腺生検を実施し、「悪性度(グリソンスコア)」や「広がり(検出量)」の変化が調べられます。生検の結果、「がんの検出量」が増えたり、「グリソンスコア」が高くなっていたりする人は手術や放射線治療が検討されます。

■監視療法に心配はないのか
監視療法は、慎重に経過をみながら根治的治療(手術・放射線治療)のタイミングを見極める方法で、低リスクの前立腺がんに対して選択できる治療法です。治療を急がないことで、その間は手術や放射線治療に伴う身体への負担を避けられます。

一方で、時間の経過でがんが治るわけではないため、「治療を先送りすること」に不安を覚える人もいます。監視療法は、がんの進行が非常にゆっくりで、生命に影響を及ぼしにくいと考えられる人に行うものですが、リスクがゼロとは言い切れません。
監視療法を希望するものの不安が強い人は、納得できるまで医師と話し合ったうえで、監視療法を行うかどうかを決めてください。

3. 前立腺がんの根治的治療について:手術や放射線治療

手術放射線治療は前立腺がんにおいて根治的治療と呼ばれます。根治的治療とはがん細胞を体内から取り去るまたは死滅させること、つまりがんを治すこと(根治)を目的とした治療です。

根治的治療について

手術では前立腺を摘除することでがんを体内から取り除き、放射線治療では放射線によってがん細胞を死滅させます。一般に、限局がん〜一部の局所進行がんでは、手術と放射線治療は同程度の治療効果が期待できると考えられています。ただし根治的治療であっても、すべての人が完治するわけではなく、再発してしまう人も一定数います。(手術と放射線治療に関しての詳しい説明は「前立腺がんの手術」と「前立腺がんの放射線治療」を参考にしてください。)

根治的治療が向かない人について

身体のコンディションやがんの状態によっては根治的治療が向かない人もいます。

【根治治療が向かないと考えられる人】

  • がんが転移している人
  • 高齢で、前立腺がんが余命に影響しにくいと考えられる人
  • 全身状態が悪い人 

上記に該当する人には、体に負担がかかる根治的治療を行っても、得られるメリットより体への負担によるデメリットが上回る可能性があります。そのため、治療は根治よりも病状のコントロールや生活の質(QOL)を重視して検討されます。

■がんが転移している人
前立腺がんが転移している場合は、前立腺の外にもがんが存在するため、前立腺だけを治療しても効果が十分でないことがあります。そのため治療の基本は、全身を対象とした**薬物療法(ホルモン療法など)**になります。ホルモン療法に使われる薬は血液に乗って全身に届くため、前立腺だけでなく転移している部位にも効果が期待できます。
なお、状況によっては、症状の改善や病状の抑制を目的として、放射線治療などの局所治療を組み合わせることもあります。

■高齢で、前立腺がんが余命に影響しにくいと考えられる人
根治的治療は副作用や後遺症を伴うことがあるため、高齢の人では、根治的治療よりも身体の負担が少ない治療(薬物療法など)が選ばれることがあります。がんの進行を一定程度抑えられれば、生活の質を保ちながら治療を続けられる可能性があります。

ただし、現在の超高齢社会では「年齢だけ」で治療を決めるのではなく、身体の状態(体力・併存疾患・生活機能)を評価したうえで治療を選ぶ考え方が重視されつつあります。そのため、高齢であっても状態が良ければ、根治的治療を積極的に検討することがあります。高齢者の健康状態を評価する方法として、注目されている国際老年腫瘍学会(SIOG)の考え方があります。次に、その評価方法を紹介します。

項目 スコア
食欲不振、消化問題、噛むことまたは嚥下困難により過去3か月で食事量が減ったか 0:著しい減少
1:中等度の減少
2:正常
最近3か月間の体重減少 0:3kgを超える減少
1:わからない
2:1-3kgの減少
3:減少なし
可動性 0:ベッドや椅子の上での動作
1:ベッドや椅子から動けるが、外出しない
2:外出する
神経心理的障害 0:重度の認知症、うつ
1:軽度の認知症、うつ
2:心理的問題なし
BMI(体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]) 0:BMI<19
1:19≦BMI<21
2:21≦BMI<23
3:23≦BMI
1日3剤を超える服薬 0:している
1:していない
同じ年齢のほかの人と比べて、患者自身は自分の健康状態をどのように捉えているか 0:よくない
0.5:わからない
1:よい
2:ほかの人よりよい
年齢 0:85歳を超える
1:80-85歳
2:80歳未満

*スコアの合計が14点以下ならば健康状態に問題ありとする

高齢者に対する根治的治療は一般的ではありませんが、今後高齢者でも根治的治療を行うべきと判断されるケースが増える可能性はあると思われます。

■全身状態が悪い人
持病などのために手術や放射線治療の負担が大きいと考えられる人には、根治にこだわるのではなく、症状のコントロールなどを重視して薬物療法が中心になります。

4. 前立腺がんの薬物療法(ホルモン療法など)について

前立腺がんの薬物療法の中心は、男性ホルモンの働きを抑えるホルモン療法です。根治的治療(手術・放射線治療)が難しい人や、転移がある人、根治的治療のあとに再発した人では、薬物療法が治療の中心になります。また、局所進行がんや高リスクの前立腺がんでは、再発を抑える目的で放射線治療と組み合わせて行われることもあります。
薬物療法は、手術や放射線治療のようにがんを取り除いて治す治療ではありませんが、がんの勢いを弱めて大きくなるのを抑えたり、小さくしたりする効果が期待できます。
ホルモン療法について詳しくは「前立腺がんのホルモン療法とは?」を参考にしてください。

5. 前立腺がんが再発した時の治療は?

前立腺がんの再発には2種類あります。

【前立腺がんの再発の種類】

  • 生化学的再発
  • 臨床再発

生化学的再発とは、PSAの上昇だけが先にみられる段階を指します。一方で臨床再発は、CTやMRI、骨シンチグラフィーなどの画像検査で、局所再発や転移が確認された状態を指します。生化学的再発の後、時間をおいて臨床再発がみられることがありますが、その期間は数年とする報告もありますが、個人差が大きく、PSAの上がり方(PSA倍加時間など)やリスク因子を見ながら判断します。

生化学的再発の定義と治療

生化学的再発の定義は手術、放射線治療、ホルモン療法を行った場合で異なります。

■手術療法後の生化学的再発について:定義と治療
手術後に十分な間隔をあけて、血液検査でPSAを測定して再発の有無を確認します。手術後の生化学的再発は、一般に PSAが0.2 ng/mL以上となり、その後の再検査でも上昇が確認される場合に定義されます。

生化学的再発と判断された場合は、再発の状況やPSAの上がり方に応じて、救済放射線治療(前立腺床への放射線)や、必要に応じてホルモン療法などが検討されます。
 

■放射線治療後の生化学的再発の定義と治療
放射線治療後の生化学的再発は、一般に PSAの最低値(nadir)から2ng/mL以上上昇した場合(Phoenix基準)に定義されます。

放射線治療後は、治療後しばらくしてPSAが一時的に上がる PSAバウンス がみられることがあります。これは再発とは限りません。PSAバウンスは放射線治療(特に小線源治療など)後に比較的よくみられ、報告によって幅がありますが おおむね2〜4割程度が目安で、治療後 1〜2年ごろに起こりやすいとされています。

放射線治療後に再発が疑われる場合は、PSAの推移を確認しつつ、画像検査などで評価し、ホルモン療法が検討されます。状況によっては、再度根治を狙う治療(救済治療)が検討されることもあります。

■ホルモン療法後の生化学的再発の定義と治療
ホルモン療法が行われている場合のPSA上昇は、「生化学的再発」というより、病状が薬に対して効きにくくなってきた可能性を示す PSA進行 として評価します。
PSA進行は、PSAが一定以上上昇し、再検査でもその上昇が確認される場合などに判断されます。このような場合には、病状やこれまでの治療歴に応じて、薬剤の変更(新規ホルモン薬など)や抗がん剤治療などが検討されます。

臨床再発の定義と治療

臨床再発は画像検査(CT検査・MRI検査・骨シンチグラフィーなど)で、局所再発や転移が確認された状態です。臨床再発では基本的に薬物療法(ホルモン療法など)が中心になります。すでにホルモン療法を行っている状態で再発・進行が確認された場合には、新規ホルモン薬や抗がん剤など、病状に応じた治療が検討されます。

PSADT( PSA倍加時間 )

PSA倍加時間(PSADT)とは、PSAが2倍になるまでにかかる時間に注目した指標です。PSAが同じように上昇していても、短期間で2倍になる場合はがんの勢いが強い可能性があり、画像検査や治療を早めに検討する材料になります。一方で、PSADTが長い場合は進行がゆっくりなこともあり、慌てずに経過をみる選択ができることがあります。PSADTは単独で決め手になるものではなく、PSAの推移や画像所見、病理結果などと合わせて判断します。

6. 転移した前立腺がんの治療について

前立腺がんは、進行すると骨・肝臓・肺・リンパ節などに転移することがあります。転移とはがん細胞が発生した臓器を離れ、移動した場所で増殖することです。

去勢感受性前立腺がん(HSPC)

転移がある人でも、ホルモン治療から強い効果を得られる段階は去勢感受性前立腺がん(HSPC)と呼ばれます。前立腺がんは男性ホルモン(テストステロン)の影響を受けて増殖するので、男性ホルモンの働きを抑える治療がよく効きます。その治療には主に次の2つのタイプがあり、組み合わせることも多いです。

  • ADT(アンドロゲン除去療法)
  • ARSi(アンドロゲン受容体標的薬)

ADTは精巣からの男性ホルモンの放出そのものを抑える治療で、ARSiは前立腺がん細胞の中にあるアンドロゲン受容体(男性ホルモンの作用を受け取るスイッチ)の働きを抑え、男性ホルモンの影響を受けにくくする薬です。さらに、転移の状況からより強力な治療が必要だと判断された人には抗がん剤治療の併用も検討されます。

去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)

ホルモン治療は強力ですが、時間の経過とともに効きにくくなることがあります。男性ホルモンを十分に抑えられている状態(去勢状態)にも関わらず前立腺がんが再び増殖し始めた状態を去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)と言います。CRPCの人に対しては、抗がん剤治療や核医学治療が検討されます。
また、CRPCの中にはBRCA遺伝子に変異がある人がおり、その人達にはPARP阻害薬という治療薬がよく効くことが分かっています。このように、遺伝子検査を踏まえた上で、一人ひとりにより最適化された治療を模索することを、プレシジョン医療とも呼びます。

ホルモン療法や抗がん剤治療については「こちらのページ」を参考にしてください。この後は、骨転移に特有の治療法について説明します。

7. 前立腺がんの治療ガイドラインはある?

病気の診療ガイドラインは、治療にあたって妥当な選択肢を示すことや、治療成績と安全性の向上などを目的に作成されています。
前立腺がんにも診療ガイドラインがあります。日本泌尿器科学会、EAU(欧州泌尿器科学会)、NCCN(全米総合がん情報ネットワーク)、AUA(米国泌尿器科学会)など各学会が作成したものが存在します。 ガイドラインがいくつも存在するのにはいくつか理由があります。まず、国ごとに病院に行くときの環境などが違うことを考慮しているためです。そして、医学的に唯一の正解を決めにくいような場合に対して、学会ごとに意見が違うためです。
知っておいて欲しいこととしては、ガイドラインは診療の助けになりますが、ガイドライン通りに治療を行うことが全て正しいわけではないということです。お医者さんは、患者さんが最適な治療を選択できるよう、有望な治療薬の登場や患者さんの状態を加味して、ガイドラインを参考にしながら、一人ひとりに最適な治療方針が選ばれます。

8. 前立腺がんを治療したいときにはどの科を受診すればよいのか

前立腺がんの治療は泌尿器科で行います。 病院によっては泌尿器科医がいなかったり、非常勤医だけで外来を行なっていたりする場合があります。泌尿器科がない病院に行くと治療ができない場合もあるので注意してください。事前にウェブサイトを確認したり、電話で問い合わせてみてください。

9. 前立腺がんを治療する施設の選び方

検査を受けた医療機関でそのまま治療を受ける人がいる一方で、施設を変えて治療したいと考える人もいます。限られた時間の中で適切な施設を選ぶのは簡単ではありませんが、治療実績を参考にしたり、セカンドオピニオンの利用したりすると良いです。

治療実績

一般に、多くの患者さんを治療している施設では経験が蓄積されており、治療の流れや合併症への対応が整っていることが多いと考えられます。ただし、重要なのは「前立腺がん全体の実績」だけでなく、自分が受けたい治療(手術、放射線治療、小線源治療、薬物療法など)に関する実績や、チーム体制が整っているかどうかです。

【施設選びのチェックポイント】

  • 自分が検討している治療の実績がある(手術/外照射/小線源/薬物療法など)
  • 放射線治療や薬物療法を含めて、必要に応じて集学的治療を提案できる体制がある
  • 合併症が起きたときの対応(救急受診、専門外来、紹介先など)が明確である
  • 治療のメリットだけでなく、デメリット(副作用・生活への影響)も丁寧に説明してくれる
  • 通院頻度や距離など、生活上の負担も現実的に続けられる

「どれくらいの実績があれば十分か」は分かりにくいのですが、候補の医療機関をいくつか比較していくと、少しずつ感覚がつかめてくることがあります。

セカンドオピニオン

セカンドオピニオンを利用するのも良い方法です。セカンドオピニオンとは、主治医以外の医師に治療方針について意見を聞くことです。一般的には主治医に紹介状診療情報提供書)を書いてもらい、他の医療機関で意見を聞きます。施設によっては「セカンドオピニオン外来」など専用の窓口を設けています。セカンドオピニオンは、より広い視野で治療を選ぶために役立ちます。

セカンドオピニオンは「主治医との関係が悪くなるのでは」と心配して、切り出しにくいという話をよく聞きます。しかし医師の立場から言うと、セカンドオピニオンを求められたからといって関係が悪くなることはほとんどありません。セカンドオピニオンは患者さんの当然の権利であり、別の意見を踏まえてより納得できる治療が選べるのであれば、主治医にとっても大切なことです。迷いがある場合は、遠慮なく主治医に相談してみてください。

参考
・「標準泌尿器科学」、(赤座英之/監)、医学書院、2014
J Clin Oncol. 2014 Jan 1;32(1):19-26. 
・泌尿器外科 2014;27:151-153
Lancet Oncol. 2014;15:1397-1406 
N Eng J Med.2013;369:213-23 
・日本医学放射線学会、日本核医学会、日本泌尿器科学会、日本放射線技術学会、日本放射線腫瘍学会:塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュアル