2018.01.09 | ニュース

前立腺がん患者で、骨の吸収を減らすビスホスホネート製剤の効果は?

文献の調査から

from The Cochrane database of systematic reviews

前立腺がん患者で、骨の吸収を減らすビスホスホネート製剤の効果は?の写真

前立腺がんが骨に転移すると、骨折や脊髄の圧迫などの原因になります。ビスホスホネート製剤は骨粗鬆症などに対して使われる薬で、骨の吸収を減らす作用があります。前立腺がんの骨転移がある人に対する効果が検討されました。

前立腺がんの骨転移がある患者に対するビスホスホネート製剤の効果

ドイツの研究班が、前立腺がんの骨転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いがある男性にするビスホスホネート製剤の効果について、これまでに行われている研究データの調査を行い、『The Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告しました。

同様のテーマで2006年にも調査が行われていましたが、より新しいデータも含めて更新しました。

 

骨格関連事象・がんの進行が減り腎障害・吐き気が増加

痛みの反応が現れた人の割合は統計的に差を確認できませんでした。

骨格関連事象(病的骨折骨粗しょう症などの病気のために骨が弱くなってしまい、少しの衝撃で起こってしまう骨折のことなど)が現れた人の数は、ビスホスホネート製剤を使用した人のほうが少なく、1,000人が使用するごとに骨格関連事象が出る人は27人から85人程度減らせると見られました。

死亡率には差を確認できませんでした。

前立腺がんの進行があった人は、ビスホスホネート製剤を使用した人1,000人あたり7人から71人程度少ないと見られました。

副作用についての検討では、ビスホスホネート製剤を使用しない人に比べて、1,000人が使用するごとに吐き気を感じる人が7人程度、腎障害が現れる人が22人程度増えると見られました。

 

骨転移がある前立腺がんにビスホスホネート製剤は有効?

ビスホスホネート製剤の効果についての調査を紹介しました。前立腺がんの骨転移がある人で骨格関連事象が減るなどの効果を示すデータが見つかりました。

ビスホスホネート製剤は一般的に骨粗鬆症などの治療に使われる薬ですが、日本でも「固形無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある骨転移による骨病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のこと」などを効能・効果として認められているビスホスホネート製剤があります。前立腺がんがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるの中でも骨転移が特に多く、治療の中でビスホスホネート製剤の役割は大切です。

状況に応じて研究データを参照することで、見通しを立てて治療方針の検討に役立てることができます。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Bisphosphonates for advanced prostate cancer.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Dec 26. [Epub ahead of print]

[PMID: 29278410]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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